ブラジル製紙大手のスザノ製紙が16日、同じくブラジルのパルプ・製紙メーカーのフィブリアを買収する事で合意したと発表したと17日付現地紙が報じた。
フォーリャ紙は合併、統合を意味する言葉のみを使いつつ、スザノ側からの支払に言及。エスタード紙は買収、統合の両方の言葉を使い、支払額などを提示している。
スザノ製紙は時価総額340万レアル、昨年の売上は105億レアル、年間パルプ生産能力は375万トンで、従業員数は2万人。他方、フィブリアは時価総額5千万レアル、昨年の売上117億4千万レアル、年間のパルプ生産能力は725万トンで、従業員数は1万7千人だ。
フィビリア買収にはオランダのペーパー・エクセレンスも関心を示していたが、社会経済開発銀行(BNDES)によると、買収の意図を明確かつ具体的に示したのはスザノだけだったという。
新しい会社の資本構成は、スザノ経営陣46・4%、BNDES子会社のBNDESPar11・1%、ヴォトランチン5・6%、その他が36・9%となる。
買収は現金と株式交換を組み合わせて実施される。スザノがフィブリアの株主に払う現金は、ヴォトランチンとBNDESParに各85億レアル、残りの株主に計120億レアルの予定だ。
この買収によって生まれる会社は、資産総額840億レアルで11の工場を持ち、年商223億レアル、年間のパルプ生産能力(短繊維)は1100万トンとなる。これにより、国内では、ペトロブラス、Ambev、Vale、テレフォニカに次ぐ5位(農牧業関連では1位)、パルプ生産能力では、米国のインターナショナル・ペーパーの500万トンを大きく凌ぐ世界一となる。
スザノによるフィブリア買収とそれに伴う新会社発足は各国の規制当局の承認が必要で、両社統合は、規制当局の承認後となる。スザノのウォルター・シャルカ最高経営責任者(CEO)は、「世界のコモディティ市場には大勢のプレーヤーがいる」として、業界再編成の必要性を説いた。
同CEOは、当面は、210億レアルに上る負債の清算を優先する意向で、新会社拡張のための投資は、数年先の事になると見ている。
16日の発表後、スザノの株式は21・79%上がったが、フィブリアは10・22%下げた。
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