民主社会党(PSDB)は18日のサンパウロ州支部大会で、サンパウロ州知事選候補選出のための予備選を実施。ジョアン・ドリア現サンパウロ市長が圧勝して、党公認の知事候補の座を得た。だが、サンパウロ市市長選のときに後押ししたジェラウド・アウキミン・サンパウロ州知事の出席は今回はなかった。19日付現地紙が報じている。
党内選挙の結果は、ドリア氏が80・02%という圧倒的な支持率で、他の候補を寄せ付けずに1位となった。
ドリア氏は、予備選への登録を行った時点で、投票権をもつ州内党員の過半数の支持を取り付けていたことから、圧勝が予想されていた。
2位はサンパウロ州社会開発局長のフロリアーノ・ペザーロ氏(7・35%)で、3位は政治学者のルイス・フェリペ・ダヴィラ氏(6・63%)、ジョゼ・アニーバル上議補欠は4位(6・01%)だった。
ドリア氏はサンパウロ州知事候補に決まった後の会見で、「アウキミン氏が大統領になれるよう、力を尽くしたい」と語り、実業家だった自身の政界進出を手助けした恩人を称えた。
だが、予備選後の祝勝会の場にアウキミン氏の姿はなかった。PSDB党首でもあるアウキミン氏は、今回のサンパウロ州知事選の候補選びに関しては「中立」の立場を取り、口出ししないことを明言していた。
アウキミン氏は当初、自身の後任としてマルシオ・フランサ副知事(ブラジル社会党・PSB)を支持したいと考えていた。だが、1995年以降、同州知事は常にPSDBの政治家であり続けていたこともあり、他党候補にその座を簡単に譲ることにはPSDB党内から反対の声が多く、アウキミン氏が折れた形となっていた。
知事選本番では、アウキミン氏の大統領選出馬を受けてサンパウロ州知事を継ぐことになるフランサ氏と対決することになるドリア氏。こうした経緯がありながらも、ドリア氏は「PSBは左翼系の政党だ」とし、フランサ氏の存在を気にする様子を見せない。むしろ、知事候補2人の選挙演説の場に同席することができれば、アウキミン氏は大統領選で優位に立てるだろうとさえ、発言している。
また、ドリア氏はかねてから労働者党(PT)やルーラ元大統領を敵視する発言を繰り返し行っており、この日も「ルーラ氏はハダジ氏が市長の時代のサンパウロ市の方がよかったなどと言っているが、私が選挙の1次投票で圧勝したではないか」と改めて語っている。
なお、今回の知事選出馬決定で、ドリア氏は4月7日までの15カ月間で、サンパウロ市市長の座を辞任することになる。同氏辞任後の市長職は、現副市長のブルーノ・コーヴァス氏が受け継ぐ。
ブルーノ氏は、PSDB創設者の一人である、マリオ・コーヴァス元サンパウロ州知事の孫だ。マリオ氏もサンパウロ市市長の経験があり、33年ぶりに同一族に同市市長の座が戻ってくることとなる。