日系4世に就労可能な日本での在留資格を与える新制度の解禁にむけ、主に4世を対象とした訪日就労者支援の取組みが進められている。ブラジル日本文化福祉協会に隣接する教育健康開発協会(IDES)の一室に、日語教室を含めた支援センターが新設される見通しだ。
それに先駆けて、24日、訪日就労を考える日系人を対象とした「無料ワークショプ」が、一般社団法人ブラジリアンビジネスグループ、NPO法人交流ネット等の共催で開催された。
日語教育支援を実施する交流ネットの林勉事務局長は「労働力不足のなか、日系人を広く受入れる動きがあり好機は広がっている」と変化を指摘し、「ここから可能性が広がり、それをどう活かすかを考える助けになれば」と構想を語る。
そのために、最重要と位置づけるのが日語の習得だ。
「日語とスキルを身につけた日系人が生産工程のリーダーとなって、昇格している。過疎地域の零細企業では、経営を引継いで欲しいという声も出ている」といい、「そのためには日語で会話ができるのが最低限の要求だ」という。
日語教室では、査証発給要件とされる日本語能力試験N4相当の能力取得を目指し、4ヶ月間の強化型授業を行う。5月頃にも再来伯し、4世の日語学習の需要調査などをした上で、7月中旬以降に運営を開始する見通しだ。
同協会の施設は、もともと独系社会の資産だったが、戦中に政府に接収された後、長年、廃墟と化していた。だが、同施設を請負ったIDESが現在改装を進めており、教育健康に関する支援を実施していくという。
IDESのセルジオ・デ・マトス・オリベイラ会長は、出稼ぎ師弟に対するノービ・デ・ジューリョ大学(UNINOVE)入学の学費半額免除や、テレビ電話を通じた在日ブラジル人の無料心理カウンセリング、日系高齢者向けのデイ・ケア・サービスなど広範な支援を、今後実施していく考えを示している。