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ドリア市長=再び日系社会に言いたい放題=韻を踏んで辛らつな放言=東洋街活性化は池崎氏主導

表情を曇らせたドリア市長

表情を曇らせたドリア市長

 【既報関連】「コムニダーデでなく、これはデスコンチヌイダーデ(不連続)だ」――日本移民110周年を記念した官民合同事業を議論する、サンパウロ市行政関係者と主要日系団体代表者による「第5回会合」が先月21日に開かれた。そこで〃官民合同事業〃の資金集めが難航していることが報告されると、ドリア市長はそんな苦言を言い放った。

 第5回会合では、以前の会合で報告された2つの文化事業の資金集めが難航しているとが報告されると、ドリア市長は再び表情を曇らせた。
 市長は「まだ可能性が排除されたわけではないが黄信号が灯っている」と疑問を投げかけ、「コムニダーデ(共同体)なのか、コントラリエダーデ(対立)なのか」「コムニダーデでなく、これはデスコンチヌイダーデ(不連続)だ」と韻を踏んで、皮肉交じりに批判を繰り返した。
 「今年は移民110周年であるということは前々から分かっていたはず。企業の決断力が少々欠けているようだ」と槍玉に挙げた。
 資金が集まらないと報告された企画の一つが、公共美術「Cow Parade(牛の行進)」を模してトップ・トレンド社が企画した「ジャパン・パレード」。市内各地に1カ月間、鶴、鯉、招き猫の110個の作品を配置する計画だ。同社のキャサリン・ドゥヴィナウ氏は、「現段階で資金はゼロ。日本進出企業は他の事業にも既に支援しており、プレゼンすら困難な状況。ブラジル企業も支援できないか、関心がない」と嘆いた。
 もう一つは、文協日本館運営委員会が7月21、22日に企画するミュージカル「Tao e Qual」だ。現在進出企業と交渉段階だが「日系社会以外の企業からの有効な支援がなければ、非常に厳しくなる」と大田レオ委員長がのべた。
 これに対し日系団体代表者らは、110周年リッファに自社製品を贈呈し、県連日本祭りの最大スポンサーであるトヨタ、ホンダを擁護した。本社の承認が必要な日本の企業文化について説明したが、市長との議論は平行線のまま終始した。
 なお前回の会合では、リベルダーデ広場の正式地名を「Praca da Liberdade/Japao」にするのと交換に、ドリア市長は東洋街活性化の資金集めを池崎博文リベルダーデ文化福祉協会(ACAL)会長に迫るなど波乱の展開となった。
 この活性化事業の予算は当初450万レアルとされたが、最終的に34万レに削減した。資金集めの限度を考慮して、大規模な改修ではなく修繕中心の現実路線に替えたからだ。池崎会長は6月5日までの2カ月間で資金集めを行ない、ACALが今後3年間は広場の〃養父〃役となり保全に責任を負う。
 それと引き換えに同広場改名法案が再検討され、移民の日を祝して6月18日から改名される見通しとなった。
 同市長は州知事選出馬のため、7日に市長職を辞任した。副市長のブルーノ・コバス氏が昇格し、今後の会議は新市長のもとで継続される。


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 サンパウロ市市長との記念事業会合に関して「ジャパン・パレード」やらミュージカル「Tao e Qual」やら聞いたこともない企画が、官民合同事業に上がっていること自体に、首をかしげる人が多いのでは。それは誰が110周年記念事業に決めたのか? それに協力する義務があるのは誰なのか? コムニダーデのコンセンサス(合意)として決めたものならば「貧者の一灯。皆がお金を出し合ってなんとかしなければ」となるが、勝手に決められたような計画なら、「一体、誰が従うのだろう」となるのが当たり前では――という疑問がわく。特定の企業や団体がやりたいと言っているのであれば、その会社や人がお金を集めるのが普通であり、集まらないのをコムニダーデのせいにすること自体、ナンセンスでは。