【既報関連】ベネズエラからの難民急増で麻疹(はしか)やジフテリアの流行が心配されているロライマ州で、州知事が麻疹の流行を宣言した。同州の麻疹の患者は59人に上っているが、世界保健機関(WHO)によると、麻疹患者は南米11カ国で確認されていると10日、11日付ブラジル国内紙、同サイトが報じた。
ロライマ州の麻疹患者は10市で確認されており、13人のブラジル人患者を除くと、残りは皆、ベネズエラ人だ。同州では死者も2人出ている。
また、疑似症患者は316人(ロライマ州213人、アマゾナス州103人)おり、WHOは、ブラジルでの麻疹はまだ拡大傾向にあるとの見解を明らかにしている。
ブラジルでの麻疹はベネズエラ難民が持ち込んだもので、ロライマ州では、州内にいるベネズエラ人10万人を含む、40万人に予防接種を施す意向だが、9日までに予防接種を受けた人は、目標の10%にも満たない3万9千人だという。
WHOによると、ベネズエラ国内で確認された麻疹患者は1千人を超えており、同国やその難民が入っているブラジル、コロンビア、エクアドルなど、南米11カ国で麻疹患者が確認されているという。昨年、麻疹患者が確認されていた国は4カ国のみだった。
だが、WHOがこういう情報を流したのは、ベネズエラ難民を排斥したり、強制送還したりする事態を避けるためだ。WHOや汎米保健機構(Opas)は、感染が広がる可能性のある地域中心に予防接種を実施し、感染拡大回避をと、呼びかけている。逆に、感染患者が確認されている国や地域に旅行する人も予防接種を受けたかを確認すべきで、必要ならば再接種も考えた方が良い。
南米は2016年に、世界で初めて、大陸レベルでの麻疹撲滅に成功したが、その翌年には、麻疹の発生を見、今年は流行の状態に陥った国や地域まで出てしまった。
WHOは2017年末までに母国を後にしたベネズエラ人は170万人に上ると見ている。ベネズエラ人ならびに同国難民を受け入れている地域の住民への予防接種や治療費などに要する金は3230万ドルと試算されており、南米17カ国に配分される見込みだ。ブラジルへの支援は300万ドルと見積もられている。
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