ダッタフォーリャが14日に発表した大統領選に関する最新の世論調査の結果によると、7日に逮捕、服役開始となったルーラ元大統領(労働者党・PT)は、なおも30%以上の支持率で1位だった。ルーラ氏を抜いた場合は、マリーナ・シウヴァ氏(REDE)が票を伸ばした。15日付現地紙が報じている。
今回の調査は、ルーラ氏が12年1カ月の実刑判決で服役開始となった後の11~13日に全国277市の4194人を対象に行われた。ルーラ氏の支持率は31%で、前回の35%よりは落ちたものの、まだ圧倒的な支持を受けている。
2位は前回と同じく、極右候補のジャイール・ボルソナロ氏(社会自由党・PSL)だが、反ルーラ票を基盤としているにも関わらず、ルーラ氏逮捕後も15%と支持率に動きがなかった。
3位は10%のマリーナ氏で、先日、ブラジル社会党(PSB)への入党を宣言したばかりの元最高裁判事ジョアキン・バルボーザ氏が、8%で4位に入った。中道右派系で最も強いと見られる民主社会党(PSDB)のジェラウド・アウキミン氏は6%で5位。左翼のルーラ票を多く取ると見られている民主労働党(PDT)のシロ・ゴメス氏は、ルーラ氏の逮捕反対の抗議行動に参加しなかった影響もあったのか、5%で6位だった。
また、連邦政府側は、民主運動(MDB)の候補がテメル大統領の場合も、エンリケ・メイレレス氏の場合も、アルヴァロ・ジアス氏(ポデモス)やマヌエラ・ダヴィラ氏(ブラジル共産党・PCdoB)よりも低い1%と大苦戦。ロドリゴ・マイア下院議長(民主党・DEM)も1%となっている。
また、「ルーラ氏が出馬断念の場合」のシミュレーションでは、ボルソナロ氏が17%で1位だが、マリーナ氏が15%と猛追している。シロ・ゴメス氏とバルボーザ氏は、9%で3位タイとなっている。
「ルーラ氏からの乗り換え票」は、マリーナ氏やバルボーザ氏、シロ氏と、左翼、中道左派票に流れている。一方、PTの候補を代理候補にした場合は、フェルナンド・ハダジ氏で2%、ジャッケス・ヴァギネル氏で1%と、PTが苦戦するデータも出ている。
現状では、ルーラ氏不出馬の場合は「ボルソナロ氏対マリーナ氏」の対決となるようにも見えるが、両者の問題は政見放送の持ち時間で、その基準となる所属政党の下院議員数が、ボルソナロロ氏は10人、マリーナ氏も2人とかなり少なく、現状では大統領選前の政治討論会への出演も危ぶまれる状態でもある。