欧州連合(EU)がブラジル食肉最大手のブラジル・フーズ社(BRF)製の鶏肉輸入停止措置をとろうとしているため、ブライロ・マッジ農相は17日に、世界貿易機関(WTO)に訴える意向を示したと、17、18日付ブラジル現地紙・サイトが報じた。
ブラジルは世界最大の鶏肉輸出国で、昨年度は70億ドルの外貨収益をあげた。BRFは鶏肉輸出量ではブラジルトップだ。
「今年3月にブラジル連警が行った捜査により、BRFと関連会社がサルモネラ菌検出検査で不正を行っていた疑いが発覚した事に対する懸念」を、EUは同措置の理由として挙げている。
3月の捜査はカルネ・フラッカ作戦を指しており、ブラジル農務省は同捜査後、BRF10工場が生産する鶏肉のEUへの輸出を一時的に停止した。EUは、これらの工場と、他の9社を禁輸措置の対象リストに盛り込む可能性がある。
ブラジルは昨年、430万トンの鶏肉を輸出した、世界最大の鶏肉輸出国だ。EUはその内の7・5%を輸入している。
ブラジル農牧連合(CNA)のリジア・ドゥトラ国際関係部長は、「EUはブラジル産鶏肉の最大の輸出先ではないが、彼らの適用する安全基準に倣う国も多く、ブラジル産鶏肉の禁輸措置がとられれば、他国にも波及するのではないかが心配だ」と語る。
「EUはブラジル産鶏肉の輸入を止めるために、いかなる技術的根拠にも基づかない〃衛生上の不安〃を利用している。こんなやり方は、WTOの定める、『ブラジル産製品禁輸措置をとる際の規範』をクリアできない。ブラジル産鶏肉の品質に疑問を抱かせるような証拠は一切ない」とブライロ・マッジ農相は語った。