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《サンパウロ州》過去3年間に336市で銀行強盗、ATM破壊事件が発生=爆発物の使用も頻発

サンパウロ市リベルダーデ広場前のブラデスコ銀行支店(参考画像)

サンパウロ市リベルダーデ広場前のブラデスコ銀行支店(参考画像)

 サンパウロ州内645市の半数以上にあたる336市では、過去3年以内に少なくとも1回以上、銀行強盗または現金自動預け払い機(ATM)の破壊行為が発生していると、18日付現地紙が報じた。
 このデータはサンパウロ州保安局がまとめたものだ。
 今年1、2月に州内で発生した銀行強盗やATM破壊事件は、未遂も含めて84件だ。これは145件だった15年に比べれば低いが、76件だった昨年比では10・5%増加で、犯行に爆発物が使われるケースも増えている。
 「州内陸部で警察の人員もそれほど多くない市に狙いをつけると、10人以上で強力な銃器を持ち、小型トラック数台に乗り込んでやってきて、ダイナマイトでATMを素早く破壊し、現金を盗み去る」―。最近はこの手のやり方が頻発しており、内陸部での犯罪の57%を占めている。
 発生現場を地図に落としこむと、サンパウロ市やその周辺都市以外にも、サンジョゼ・ドス・カンポス市やカンピーナス市、ソロカバ市、リベイロン・プレット市周辺まで、銀行強盗やATM破壊行為が広がっている事がわかる。
 反対にプレジデンテ・プルデンテ市周辺など、州西部は比較的安全に見えるが、同種の犯罪が1回から2回発生しただけの市は合計で200を超える。「ATM破壊、銀行強盗などの犯罪は州全体に広がっている」と評するに十分な数字だ。
 元サンパウロ州軍警司令官のベネジト・ロベルト氏は、「犯罪集団が10人以上の場合、当番の警官2人だけで対応するのは不可能だ。まずは身の安全を守り、犯人の数を確認し、応援を要請することになっている」と語る。
 州内の小規模な市では、警官の人員は9~11人程度で、夜間や週末などは2人体制を保つのがやっとだという。
 ロベルト氏は、「盗まれた紙幣を使用不能にする仕組みなど、銀行側にも対策を求めたいが、銀行側は『コストがかかりすぎる。ハッカー対策が優先』と言う」とぼやいた。
 爆発物を使って金融機関を襲った犯罪は、今年の1月、2月だけで31件を数えた。犯罪者たちは、ATMだけでなく、銀行支店の金庫の破壊も試みている。昨年同期の同種の犯罪発生件数は18件だったから、70%以上の増加率となる。