17日、最高裁第1小法廷で、14年大統領選で次点だったアエシオ・ネーヴェス上院議員(民主社会党・PSDB)の収賄疑惑に関する起訴を受理するか否かの審理が行われ、賛成多数でアエシオ氏は刑事被告人となった。18日付現地紙が報じている。
アエシオ氏に対する起訴は、食品大手J&Fの社主ジョエズレイ・バチスタ被告がラヴァ・ジャット作戦で行った報奨付供述(デラソン・プレミアーダ)に基づくものだ。供述内容は昨年5月、録音証拠と共に暴露され、ブラジルに大きな衝撃を与えた。また、アエシオ氏がPSDB党首の座を追われ、と上議停職(その後復職)を命じられるもとともなった。
ジョエズレイ氏のデラソンそのものは、元検察庁の検察員、マルセロ・ミレール氏が作成に関与したことにより、無効となった。だが、デラソンのために集められた証拠は生かされたままとなっている。
アエシオ氏の場合は、ジョエズレイ氏に200万レアルの収賄交渉を行う模様が、同氏の姉のアンドレア氏、いとこのフレデリコ・パシェコ氏を介して行う手立てを整えたところまで録音されていた。
そして、その証拠が判事たちの判断にも影響した。報告官をつとめたマルコ・アウレーリオ判事が薦める「被告人とする」の見解に、ルイス・アルベルト・バローゾ、ローザ・ウェベル、ルイス・フクス、さらに昨年の判事就任までPSDBに所属していたアレッシャンドレ・デ・モラエス判事も含む4判事全員が「疑惑を立証するに値する証拠だ」などと発言して賛成し、収賄容疑に関しては5―0の圧倒多数で被告となった。
また、アエシオ氏は収賄疑惑と共に、司法当局の捜査妨害を図った容疑でも告発を受けており、この日の投票では、モラエス判事を除く4判事がアウレーリオ判事の見解に賛成し、4―1でこれまた被告人となった。
アエシオ氏は、ジョエズレイ氏のデラソンに基づいた収賄、捜査妨害疑惑の他にも、ラヴァ・ジャット作戦でのオデブレヒト社関係者のデラソンに基づいて5件、昨年、上議罷免処分を受けたデウシジオ・アマラル被告の供述に関連したもので2件、J&F絡みでもう1件と、計8件で容疑が浮上している。
アエシオ氏は被告人となった後も、自身はまだ平静さを保っていると主張し、「無実であることを証明してみせる」と取材陣に語った。
だが、PSDBの現党首で、10月の大統領選の同党候補のジェラウド・アウキミン氏は「最高裁の意思を尊重する。法は全ての人のためにある」と発言してアエシオ氏への同情を示さず、同党の中での現在のアエシオ氏の立場の弱さを伺わせた。