今年10月のブラジル大統領選の行方が不透明な事と、米国の利上げ傾向が重なり、米ドルがレアルに対して徐々に値を上げていると、24日付ブラジル各紙・サイトが報じた。
23日の為替相場は、ドルがレアルに対して前日比1・19%高、1ドル=3・4497レで取引を終えた。これは1ドル=3・4718レだった、2016年12月2日以来、ほぼ1年5カ月ぶりの高値だ。
為替の変動幅が大きくなる事は、ドルを機軸に計画を立てる輸入業者、輸出業者、また国外旅行者にとっては好ましい状況ではない。
23日のドル高は、10年物の米国債の利回りが3%近くに達した事が主因だ。米国債は信用も高く、利回りが上がると新興国からの資金が流れ込みやすくなる。
イタウ銀行の経済分析員ジュリア・ゴッチリエビ氏は、「米中間の貿易摩擦が高まった影響は他の通貨にも出ていたし、ブラジルの経済基本金利(6・5%)と、米国の政策金利(1・5~1・75%)との差が縮まってきていることで、投資家が以前ほどブラジルに魅力を感じなくなっている」と語っている。
現時点で、「今後1ドル=3・5レ以上の水準に落ち着く」と予想した市場関係者はいないが、多くは「今後3カ月間、よく観察する事が必要」としている。
仮に1ドル=3・5レで落ち着くと、輸入品などの価格が上がり、論理的にはインフレ要因となるが、XPインヴェスチメント社の主席戦略研究員セルソン・プラシド氏は、「ドル高となっても、ブラジルの物価にはそれほど大きな影響はないだろう」としている。
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