サンパウロ市市役所が23日、同市中央部のプリンセーザ・イザベルをはじめとする計3カ所のバスターミナル民営化に向けた規定書を公開した。また、24日未明には、190路線の廃止も含む、バスの運行管理に関する入札規定書を発行したと24日付現地紙、同サイトが報じた。
三つのバスターミナル民営化(建設、運営権移譲)は、24日から始まるものを含む2度の意見聴取期間を経、9月に正式な入札規定が作られる予定だ。見込み通り進めば、来年の第1四半期には、ターミナル改造も含む運営権移譲契約が成立すると見られている。
市役所側は、ターミナルにショッピングや事務所、住居などを含む商用ビルを立てる事や、キオスクなどの売店を増やす事も認めている。プリンセーザ・イザベルは、1日7千人が18路線のバスを利用しており、管理運営や保守などに、年660万レアルがかかる。カペリーニャとカンポ・リンポも最初の民営化の対象となる。
他方、バス路線の運行管理に関する入札規定書は、5年前に切れた契約更新のためのものだ。サンパウロ市では現在、1万4457台のバスが運行しているが、新しい規定書では1万3592台に減少。路線数も、1339が1193に減る。66%の882路線は現行維持だが、20%(267路線)は変更、14%(190路線)は廃止、44路線が新設の予定だ。
市役所は、路線やバス運行数は減っても、専用レーンの利用や地域内の路線との接続などで利用者の座席数は増えると強調。また、最初の10年間で再生可能なエネルギーを使用するバスを増やし、二酸化炭素の排出量は最低50%削減、窒素化合物は80%削減などの大気汚染防止策も盛り込まれている。
また、全ての車両にはエアコンやWi―Fi、時速上限50キロの速度制御器、稼働中は扉が開かないようにする機器などの設置が義務付けられる。また、充電用のUSBジャック数(座席数の3分の1以上)や、車両の使用年数をジーゼル10年、電気バス15年とする事なども明記されており、落札会社には車両の入れ替え計画などの提出も求められる。
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