サンパウロ市地下鉄開業50周年の24日朝、地下鉄1号線が通勤ラッシュ時に突如運行を停止し、市民の足は混乱に陥ったと、25日付現地各紙が報じた。
1号線の全23駅は一時閉鎖され、乗客は非常口から外に誘導された。
運行停止の原因について、運行業務を行うメトロポリタン公社(メトロ)とメトロ職員組合の見解が食い違っている。
メトロは、「複数の駅で許可なく非常装置が作動し、1号線全体が止まった。結果として午前8時50分から午前10時17分の間、1号線がストップし、同線と連絡する2号線、3号線も減速運転となった」と書面で発表した。メトロ側はそれ以上取材に応じなかった。
対して組合は、「ホーム事故防止システム(SPAP)が2カ所でほぼ同時に勝手に作動した。人の手は加わっていない」とした。メトロは、「非常装置」とはSPAPの事か否かも、「許可なく作動」させたのは誰かも明らかにしていない。組合側は、1号線のシステムを一度リセットしたため、ようやくSPAPは正常に戻ったとしている。
仮に何者かが許可なく非常装置を作動させたのなら事件性がありそうだが、警察は動いていない。
24日は、メトロ15号線(モノレール)の4駅サンルーカス、カミーロ・ハダジ、ヴィラ・トルストイ、ヴィラ・ウニオンの4駅も設備に故障が発生し、その修復のために運休した。
15号線の4駅は、4月6日、アウキミン前サンパウロ州知事の任期最終日に運行を開始したが、その日に間に合わせるため、工事を急ぎすぎたのではとの指摘がなされていた。メトロは、「故障した設備は、メーカーの保証期間中」としている。