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《ブラジル》ピアウイ州=ばら撒かれた金の持ち主は?=正直大工が1カ月かけて探し出す

 ピアウイ州の州都テレジーニャから160キロの小さな町ブラジレイラの大工、ジョゼ・エリスヴァウド氏が、仕事帰りに見つけた現金2300レアルが、約1カ月を経て、隣町のピリピリ市に住む商人のカルロス・ボルジェス氏の手に届けられた。
 国道343号線を走っていたエリスヴァウド氏が、道路を飛び交う現金と名刺を見つけたのは4月のはじめだった。
 エリスヴァウド氏は、名刺に書かれていたテルトゥリアノという名前だけを頼りに、金の持ち主を探し始めた。だが、ようやく探し当てた住所を尋ねても、引越ししてしまった後で、誰も新しい住所を知らないという。
 だが、やっとテルトゥリアノ氏がピリピリ市の病院に入院している事を突き止めたエリスヴァウド氏は、病院を訪ねた。だが、金の持ち主は、テルトゥリアノ氏の店に食料品を納品していた人だと言われ、振り出しに戻った。
 それでも、やっとボルジェス氏を探し当てたエリスヴァウド氏が電話をかけたところ、ボルジェス氏はいたずら電話だと思い込んだ。1カ月もかけて落とし主を探してくれる人がいるなんて考えられず、遅れた支払などをどうすればいいかと悩んでいたからだ。
 エリスヴァウド氏が返してくれた現金は、遅れていた支払などに使われる事になったが、エリスヴァウド氏によると、何年か前にも同じように金を拾い、持ち主を探して返した事があるという。
 「私が何か良い種を蒔いた事で、神様が褒美を下さったんだろうか。こんなご時勢になくした現金が返って来るなんて、普通じゃ起こらない。エリスヴァウド氏が現金を返してくれた時は、本当に正直さに感動したよ」とボルジェス氏は言う。
 御礼にと200レアルを渡した時のエリスヴァウド氏の反応も驚きだった。エリスヴァウド氏は「今度は俺がもらった、俺の金だから、俺が使う事が出来るぞ」と言ったというのだ。「余りの正直さに涙が出そうになった」というボルジェス氏。エリスヴァウド氏によれば、多くの人が「探すのなんか諦めて、その金を使ってしまえ」と言ったというが、エリスヴァウド氏はその都度、「俺の金じゃないから(諦めないし、使わない)」と答え続けていたという。(4月30日付G1サイトより)