【既報関連】4月30日のドル/レアル為替相場は、前日比1・2%上昇の1ドル=3・5042レアルで引けたと、1日付現地各紙が報じた。
1ドルが3・5レアルを突破するのは2016年6月3日以来で、ほぼ1年11カ月ぶりのドル高レアル安水準だ。各紙は「4月の一カ月だけで、ドルは6・08%上昇」とし、今年1月から3月まではほぼ横ばいだったのに、4月にドルが急騰した事にも触れている。
4月30日のサンパウロ市株式市場指数(Ibovespa)は、8万6115ポイントで取引を終え、月間で0・88%の上昇を記録した。Ibovespaも今年に入って12・71%上昇した。
ドル高の主要因には、ブラジル国外の事情が絡んでいる。米国商務省は4月末に、3月の個人消費支出(PEC)指数は前年比2%上昇したと発表。同指数が連邦準備制度(Fed)が目標とする2%に到達したのは、1年1ヵ月ぶりだった。
米国内のインフレを抑えるため、Fedは国内金利を引き上げるだろうとの予測が広がっていた。米国利上げは、特にブラジルなどの新興国の通貨にとっては如実にドル高要因となる。
2日に開かれたFedの公開市場委員会(FOMC)では米国金利は据え置かれたが、ルーラ元大統領が服役を開始した直後の大統領選世論調査で、右派のジャイール・ボルソナロや、左派のマリーナ・シウヴァら、経済に疎い候補が上位に来たことも、レアル安の要因になったと市場関係者たちは見ている。