5月1、2日にマドリッドとローマで行われた、サッカーUEFAチャンピオンズリーグ準決勝第2レグの結果により、今シーズンの同大会決勝は、大会3連覇と通算13回目の優勝を目指すレアル・マドリッド(スペイン)と、13年ぶり6回目の優勝を目指すリバプール(イングランド)の顔合わせとなった。
世界中のスター選手が欧州の強豪クラブチームに集り、連携の精度も代表チームよりクラブチームのほうが高いため、UEFAチャンピオンズリーグこそが究極の大会と言われるようになって久しい。
準決勝まではホームアンドアウェー方式だったが、決勝戦は中立地一発勝負のため、試合の希少性もさらに高まる。この舞台に立つことはサッカー選手にとって夢だが、今年は4年に1度のW杯イヤー。5月26日にキエフで開催されるチャンピオンズリーグ決勝から、わずか19日後、6月14日にW杯が開幕するため、決勝進出チームに代表選手が多くいる事は、疲労回復の面で不利になる。
ブラジル代表メンバーのW杯準備合宿への集合日は5月20日だが、決勝を戦う選手はそれを免除し、遅れての合流を認めざるを得ない。
セレソンでレアル・マドリッド、リバプールのいずれかに所属しているのは、マルセロ、カゼミロ、フィルミーノの3人だ。
レアル・マドリッドもリバプールも昨年8月からの長い17/18シーズンを戦ってきており、3選手の肉体的、精神的疲労もピークに達している。代表合宿に途中から合流しても、W杯開幕までにコンディションの回復が精一杯なはずだ。
マルセロ、カゼミロは南米予選から不動のレギュラー。フィルミーノはセンターフォワードの控えだが、最近の活躍により、レギュラー抜擢を予想する声もあがっている。
世界トップクラスの選手層を誇るブラジルだからこその悩みに、名将チッチも苦しみそうだ。(規)