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ベネズエラ=マドゥーロ氏に職務停止命令=亡命中の最高裁判事らが判決

空軍機に乗り込むベネズエラ人難民(Marcelo Camargo/Agência Brasil)

空軍機に乗り込むベネズエラ人難民(Marcelo Camargo/Agência Brasil)

 隣国ベネズエラでの政治的、経済的混乱が続く中、マイアミに亡命中の同国最高裁判事らが3日、ニコラス・マドゥーロ大統領の職務停止と逮捕を命じる判決を下したと4日付アジェンシア・ブラジルが報じた。
 マイアミで出た判決はブラジルの多国籍企業オデブレヒト社を巡るスキャンダルに関するもので、職務停止と公職に就く事の禁止、ボリヴァリアナ国家警備隊への大統領逮捕命令、国際警察への国際逮捕手配書(赤手配書)要請などからなる。マイアミでの審理には、コロンビアやパナマ、チリの判事達もビデオカンファレンスの形で参加した。
 同国最高裁は3月に、やはり亡命中の検察庁元長官のルイザ・オルテガ氏による起訴状を受理する判断を下していた。起訴状では、オデブレヒト社との間での汚職が暴かれ、国際警察を通しての逮捕請求も出ていた。オルテガ氏は、ブラジル企業のオデブレヒト社やその傘下の幽霊企業が、公職者らに賄賂を払っていた事を告発していた。
 ベネズエラ最高裁は判決後、マドゥーロ氏に対しては反論や自己弁護のための権利が保障されている事も明らかにした。
 これにより、マドゥーロ大統領に対する刑事裁判は第二段階に入り、本人尋問なども行われる事になる。本人が口頭尋問に出頭しなかった場合は命令不服従とみなされ、弁護士が尋問に応じる必要が生じる。
 ベネズエラでは現在、大統領選の真っ最中で、5月20日に投票が行われる事になっているが、今回の判決が大統領選にどのような影響を及ぼすかは定かではない。
 しかし、同国の大統領選が野党候補への迫害や妨害を伴う不公正なものとの認識は、世界中に広がっており、3日も、欧州連合(EU)加盟国議員らがEUに、ベネズエラの大統領選を即刻中止させるよう求めるといった動きが出ている。
 また、米州機構でも2日、6月に開催される同機構の総会でベネズエラ問題を取り上げる事を決めたばかりだ。
 なお、ロライマ州に移住した同国民を他州に移送する計画は4日に第2弾が行われ、マナウスへの164人とサンパウロ市への69人の計233人が、朝5時に空軍機でボア・ヴィスタを飛び立った。