【既報関連】1日未明の火災で、少なくとも1人の犠牲者が確認されたサンパウロ市中央部ラルゴ・ド・パイサンドゥのビル跡地で8日未明、子供と見られる遺体発見と同日付現地紙サイトが報じた。
遺体発見現場は崩壊したビルの敷地中央部で、一部が炭化した遺体は小柄なため、9歳の双子の一人と見られている。
消防は警察犬の反応などを基に、7日夜からビル中央部に重点を置いた捜索を開始。状況から、遺体発見現場は双子とその一家が住んでいた7階部分と見られている。
マジノ・アウヴェス保安局長によると、現場では指輪や骨も見つかったが、大人の骨か、子供の骨かの判別はまだだ。遺体が炭化していた事などから、生存者がいる可能性は一段と低くなった。
消防は警察犬が異なる反応を示して以来、重機の使用を止めており、瓦礫除去などは全て手作業で行われている。また、8日未明に確認されたガス漏れは、同日早朝に必要な措置がとられた。
他方、この火災に伴う公式の行方不明者は、8日朝の時点で7人に増えた。6日までは、9歳の双子とその母(40)、47歳の男性と42歳の妻の5人だったが、7日にはアルトゥーツ・エクトル・デ・パウラ氏(45)、8日にはフランシスコ・ダンタス氏(56)の名前が加わった。
ただ、崩壊したビルに住んでいたとして市役所が名前を登録したが、所在が確認できない人は相当数おり、実際の犠牲者数は確定できていない。
なお、不法占拠を促して家賃などを徴収していたグループの実態と責任も捜査中だ。ビルに住んでいた人達が責任者と指摘したアナニアス・ペレイラ・ドス・サントス氏はその事実を否定している。また、国と市役所、検察は、同ビルの所有者と管理責任についても確認作業を進めている。
同ビルは1961年に建設され、1992年にサンパウロ市歴史・文化・環境遺産保存審議会から歴史的遺産に指摘された。2002年からは国の資産として、連警や国立社会保障院として使われた。2015年に競売にかけられたが売れなかったため、2017年からはサンパウロ市教育文化局が使う予定になっていたが、所有権の移転手続きは終わっておらず、責任の所在は不明だ。不法占拠は数年前から起きていた。