5月8日に行われたフランス杯決勝で負傷した、ブラジル代表ダニ・アウヴェス(PSG・35)は当面手術を回避するだろうと、ブラジルメディアは報じている。
6月14日に開幕するロシアW杯に出場するブラジル代表メンバー23人の発表は、ブラジル時間の14日午後2時に予定されているが、チッチ体制で長く右サイドバック(SB)不動のレギュラーの座を守っていたダニ・アウヴェスの、このタイミングでの負傷は、ブラジル代表に大きな痛手となりそうだ。
PSGの公式発表は、ダニ・アウヴェスの負傷は〃右ひざのじん帯損傷〃で、「手術の必要はない」のではなく、「3週間後、5月末に手術の必要があるかないかが分かる」というものだった。
ダニ・アウヴェス本人は、怪我が思っていたほど酷いものではなくて、ブラジル代表入りを楽観視しているという。再検査まで、故障箇所を安静にしつつ、出来る範囲でトレーニングを行い、フィジカルコンディションの維持に努める。
ブラジル代表のスケジュールは、5月14日のロシア行き23人発表、5月21日から27日までの国内合宿、5月28日から6月10日までの英国合宿を経て、6月11日にロシアのキャンプ地ソチ入りとなっている。本大会の初戦は17日のスイス戦だ。
手術が必要かどうか判明するのが5月末。そこで手術が必要となれば、予備メンバーとの交代が行われるが、23人メンバーを12人の予備メンバーと入れ替えられる期限は6月4日だ。
チッチ監督にとって頭の痛いことに、前回3月の代表戦で2番手右SBとして呼ばれていた、コリンチャンスのファギネルも、4月末の試合で、全治1カ月の負傷を負ってしまった。
ダニ・アウヴェスもファギネルも5月21日のブラジル国内合宿開始時点ではピッチに立てる状態になっていないことは確実で、フォーメーション練習を行うのにも代役が必要だ。
2人の回復を待った挙句に6月に入った時点で「2人とも出場不可能」となるのが最悪のシナリオだが、ダニとファギネルの回復を待つ間、別の2人を呼び、連携がこなれてきたところで、怪我開けのダニとファギネルが復帰。代役の2人に別れを告げるのも苦渋の選択だ。
3番手の右SBは、ファギネルと「ダニ・アウヴエスの代役」の座を争っていた、マンチェスター・シティのダニーロで問題ないが、4番手まで準備するとなると、チッチ体制ではほとんど招集されていない、ラフィーニャ(バイエルン・ミュンヘン)か、マルコス・ローシャ(パルメイラス)が取りざたされている。
ネイマールの負傷からの復帰も間近とされる中、王国ブラジルに思わぬ試練が訪れた。(規)
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