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県連故郷巡り=日本人ハワイ移住150周年=ホノルル・フェスタで交流=第4回=ハワイ総領事と州知事に面会

伊藤康一ホノルル総領事と記念写真

伊藤康一ホノルル総領事と記念写真

 伝統的にハワイ政界は白人支配層(共和党)の地盤が強固であった。第2次大戦終了後、日系二世を中心とする各民族の青年層は政治・社会改革を目指し、1954年の選挙で民主党の候補者が多数当選する「流血なき革命」、あるいは、「民主党革命」と呼ばれる現象が生じた。
 1954年以降、ハワイ州は民主党の勢力が圧倒的になった。例えば現在の伊芸デービット州知事(日系)は民主党である他、ハワイ選出の連邦議員(4人)は全て民主党(うち2人は日系)である。
 またハワイ州議会は二院制を取っているが、州上院25議員全員が民主党、下院51議員のうち45議席が民主党である。
 2012年12月にイノウエ連邦上院議員(大統領継承順位3位、上院議長代行兼歳出委員長)が逝去したが、日系ではヒロノ(女性)上院議員、下院ではハナブサ(女性)下院議員がいる。
 ハワイの州経済は、主力の観光業に加え、不動産業や建設業が拡大、特に労働市場は堅調で、失業率は全米平均を大きく下回っている。とはいうものの物価は高いとのことらしい、それはほとんどの物資(消費物資の約8割)を州外から輸入に依存することが原因。
 観光客数は約894万人(日本から約150万人)、州最大の産業である。しかし気候も温暖で過ごしやすいことからホームレスが増えている。ハワイでは、住民1万人当たりの比率では53人、全米の比率は17人。他州では減少傾向にあるが、ハワイでは2010年以降、増加の傾向にあるとか。
 ハワイのエネルギー事情はどうなっているかとのことだが、州では2045年までに再生可能エネルギー発電の割合を100%にするという野心的な法律を成立させた。

伊芸デービット州知事(右から2番目)、右端が山田県連会長

伊芸デービット州知事(右から2番目)、右端が山田県連会長

 すでに2008年に開始した「ハワイ・クリーンエネルギー・イニシアチブ」のもとで、再生可能エネルギーの導入拡大に取り組んでいるが、まだ60%が石油による火力発電だ。それでも島風を利用した風力発電は13・2%、地熱発電が6・60%である。
     ◎
 こんな説明を受けながら、次の訪問地在ホノルル日本国総領事館に到着した。
 ハワイは皇室との深いご縁があり、これまで多くの皇室関係者がハワイを訪問しており、総領事館構内にも、昭和天皇や天皇陛下が植樹された樹木が大きく成長しており、植樹の来歴が記入されている。
 ホノルル総領事の伊藤康一氏はまだ赴任してから半年あまりで、今回のホノルル・フェスティバルも初めてだそうだ。遠路多くのブラジルに住む日系人の方々がハワイを訪れたことを歓迎した。
 これに対し、県連の山田康夫会長は、「ハワイ日本人移住150周年、ブラジル日本移民110周年という意義ある年にホノルルを訪れ、ホノルル・フェスティバルに参加することができてうれしい。また、このような時に、ホノルル総領事館を訪れ歓迎していただいたことを感謝します」と述べた。
 時間的なこともあり、表敬と玄関前での記念撮影だけとなったが有意義な訪問であった。庭に植樹された樹木や、その樹の名前などを聞いて総領事館を後にした。
 ここで故郷巡り一行と別れをつげ、ハワイ州知事に面会するために、山田会長は9日午前11時半、伊芸州知事を表敬訪問。ハワイ日系人連合協会の朝比奈デーィン氏らの案内で州知事庁舎の執務室で同州知事と懇談した。
 知事からの「ハワイになぜ来たのか」との質問に、山田会長は「今年ハワイが移民150周年、またブラジル移民110周年と記念の年であり、その会場は県連が主催する第21回フェスティバル・ド・ジャポン(日本まつり)で、6千人収容の特設舞台設置することや、昨年度の入場者数が18万人を超えたことも説明し、「今回州知事とお会いできて本当にうれしいです」と述べ、州知事にブラジルのキリスト像の土産を手渡した。
 ホノルル・フェスティバルについて州知事は、「以前は日系人だけのフェスティバルだったが、現在はハワイに住む、環太平洋地域の民族の良いところも取り入れたフェスティバルになっています」と、今回初めて参加のブラジルおよびペルー関係者一行を歓迎した。
 山田会長も「私も同じ気持ちです」と、世界各地の人々との交流の大切さに同調していた。(つづく、伊東信比古さん寄稿)