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河野外相=「ワーホリ制度、将来的に検討」=本紙が単独インタビュー

単独取材に応じた河野外相

単独取材に応じた河野外相

 河野太郎外務大臣は本紙との単独インタビューに応じ、日系人に限らない交流を増やす「日伯ワーキングホリデー(WH)制度の締結」、来年3月で最初の予算(36億円)が終ってしまうジャパン・ハウスの「来年4月以降の予算はどうなるのか」という二つの質問に関して、次のように応えた。
 日本はすでに、昨年にアルゼンチン、今年はチリとの2カ国とワーキングホリデー制度を締結しており、ブラジルとの締結にも期待が寄せられている。特別定住ビザや四世ビザは日系人向けの制度だが、WHは全ブラジル人が利用可能で、働きながら滞在できるもの。
 アニメ漫画の人気もあって親日ブラジル人が増える中で、留学は難しいが、日本に1~2年滞在したい希望を持つ若者がたくさんいる。逆に日本からも多くの若者がブラジル体験をしに来るが、日系社会があるだけに居心地がよくて長期滞在したくなる人が多く、ビザの問題に苦しんでいる現状ある。
 河野外務大臣によれば、昨年10月から開始された亜国の場合、「亜国から日本へは多いが、日本から行く人はまだ少ないのが現状」だという。「これは両国間の若者が互いの国を長期滞在し、よいところを見ていこうという制度。流れが一方通行ではメリットが生かされない」との問題点を語った。
 「今後、この制度が中南米でどう受け入れられるか、双方向の流れにするにはどうしたらよいか考えていく必要がある」として亜国の動向を見守る一方で、「ブラジルの場合は、まずは査証発給の簡素化をやらなくてはいけない」との見解を示した。「この2つの流れを考えながら、この制度をどう広げていくかを将来的に検討していきたい」と意欲を示した。
 一方、ジャパン・ハウスは開館前「19年3月に予算切れで閉館するのでは」との噂が流れるなど、「たった1、2年で閉鎖したら、その後、日本の印象が悪くなる」と日系社会を不安がらせていた。「いずれ自走化へ」との方針が記者会見で何度も示されており、来年4月から予算が大幅に減らされ、貧相な展示になれば一般社会からの印象を損なうのでは、と心配する声があった。
 それに対し、河野外相は、来年4月以降のジャパン・ハウスの予算見通しについて「8月末迄に外務省が概算要求を出し、12月の予算編成までに外務省と財務省で相談して決まるというのがプロセスで、それに則って検討してゆく」とのこと。外務省のなかで継続可否の検討がなされ、予算編成のなかで決められてゆくというが、具体的な見通しについては明言を避けた。
 だが「予想入場人員を遥かに超える大勢の方に来て頂いて大変喜んでいる。日系人に培って頂いた日本への信頼の表れだ」と高く評価した。
 「文協が移民してこられた日系人の方々の文化をしっかり守ると同時に、JHは最近の日本を伝える補完関係にあるもの」と意義を強調した。