原油の国際価格高騰に伴い、ブラジル国内では先週中に5回、22日も再度、ディーゼル油が値上げされた事に抗議し、トラック運転手が21日に全国規模のスト決行と同日付現地紙サイトが報じた。
今回のストは、燃料値上げに反対するために、ブラジル・トラック運転手協会(ABCam)と全国自営運送会社連合(CNTA)が18日に呼びかけたものだ。スト決行が確認されている州は、バイア、セアラー、エスピリトサント、ゴイアス、南マット・グロッソ、マット・グロッソ、ミナス・ジェライス、パラー、パライバ、パラナ、ペルナンブコ、リオ、南リオ・グランデ、北リオ・グランデ、サンタカタリーナ、サンパウロ、トカンチンスの17州だ。
21日のストは、国道や幹線道路の全面または一部封鎖、路肩にトラックを停める、タイヤを焼く、のろのろ運転をするなどの形で行われた。州によっては朝6時には正常の状態に戻ったところもあったというが、多くの州では数キロから数十キロの渋滞が生じる、迂回を余儀なくされるなどの影響が出たようだ。
ABCamは、「製油所の出口価格の度重なる値上がりや税率の引き上げ分がディーゼル価格に上乗せされ、運送業者が持ちこたえられない状況が生じている上、ペトロブラスは連日燃料価格を調整している」と苦言を呈し、燃料値上げによる影響を最小限に抑えるため、社会統合基金(PIS)や社会保険融資納付金(Cofins)、経済支配介入納付金(Cide)の免税などの諸対策を講じるよう要請している。
運送業者にとり、経費の42%を占めるディーゼルの値上がりは深刻だが、ディーゼル価格の43%はPISやCofins、Cide、商品流通サービス税(ICMS)が占めている。
今月の燃料値上げは、4日を皮切りに、5日、8~9日、11日、12日、15~19日、22日と、既に12回を数えている。ペトロブラスは17年7月3日以降、価格調整の方法を変更。原油の国際価格の急騰も重なったため、昨年7月以降の値上がり幅は、ガソリンが58・76%、ディーゼルが59・32%となっている。