在日ブラジル人有数のユーチューバーで、なんとブラジル内など62万人以上がチャンネル登録をするデボラ・フッツさん(Déborah Hudz、23、三世)が20日、文協の文化祭りで講演した。会場となった250人収容の小講堂は、デボラさん見たさに集まったファンで一杯になり、立ち見客が出るほどの人気ぶりとなった。
デボラさんは日本でうまれ育った日系子弟。17歳から動画視聴サイトYoutubeに動画の投稿をはじめ、日本の生活習慣の特徴やブラジルとの違いなどを、面白おかしく知らせる10分程度の自作動画をポ語で撮影・投稿し、大人気を博している(https://www.youtube.com/user/LikeAPrincesz)。
「日本でやってはいけないこと」「ポ語に聞こえる日本語」「日本の変な食べ物」などをテーマに日本文化や習慣を楽しく紹介し、今ではチャンネル登録者数は約62万人を超える。
中でも「日本の学校でやってはいけないこと」は451万回も再生されるなど、ナマの日本の生活をポ語で伝える伝道師として活躍、「今年中に100万人を超えたい」と意気込んだ。
登壇したデボラさんには熱烈なファンから拍手と歓声が贈られた。
デボラさんはさっそく日本とブラジルのコーヒーの違いや電車内の物売りなど、今回ために書き留めた「ブラジルで驚いたこと」を紹介。日本育ちのブラジル人ならではの今のブラジルの生活に驚いた話が続々と語られ、笑いの波がひっきりなしに起きた。
両国の国歌の違いを語ったデボラさんは、「実はまだブラジル国歌の歌詞を覚えていないけれど、ブラジルの国歌が大好き。サッカーの試合がテレビで放送されたとき、ブラジルの選手が歌っているのを聴いて、なぜか泣いてしまうほど」と語り、会場のファンを喜ばせた。
講演後の質疑応答ではひっきりなしに熱心な質問が寄せられた。自殺の名所「青木ヶ原樹海」を訪問したデボラさんの経験談に触発され、日本人の自殺者の多さに関する質問も寄せられた。
講演終了後は写真撮影会となり、彼女の前にファンが行列ができた。中にはウクレレを持参しデボラさんにブラジル国歌を歌って贈る人も。
デボラファンの2人の孫と講演を聞いていたエヂナ・マリア・アウカンタラさん(63)は、「彼女はとても賢く、話し方も上手で好き。思春期の孫も外国の文化に触れることができて、彼女らの世界が広がるのでは」と語った。
デボラさんは4月から一時帰国中で、来月再び日本に戻る予定。