ロシアW杯開幕まであと21日となったが、4年前のブラジル開催W杯のために計画されたインフラ整備工事が、開催11都市でまだ終わっていないと、23日付ブラジルニュースサイトが報じた。
ブラジルW杯の開催都市は12で、インフラ工事が全て終了したのはリオ市だけだ。しかしこれも、14年のW杯までに完成した訳ではなく、遅れての完成だった。遅れながらも何とか完成した理由は、リオ市では16年に五輪も開催される事が決まっており、W杯に間に合わなかった諸計画も、中断することなく続けられたからだ。
未完成の計画の多くは、市街地の交通網に関連した事業と、空港の拡張や改善だ。資金不足、請負い会社の問題、工事途中での契約解除、法規的問題による工事中断、土地の収用問題などが、工事完成の遅れの原因に挙げられている。
サンパウロ市では、市内南部のコンゴーニャス空港とモルンビ競技場を結ぶモノレール17号線計画があったが、試合会場がモルンビ競技場でなくなったため、延期された。19年内には計画区間の一部が完成する予定だ。
空港の拡張やリフォーム計画が未完成なのは、ベロ・オリゾンテ、フォルタレーザ、サルヴァドールの3都市だ。
五輪のため、リオ市では何とか完成した新型路面電車(VLT)や、専用レーンを使ったバス交通システム(BRT)の整備計画。これが、クイアバ、ブラジリア、フォルタレーザ、マナウス、サルヴァドールでは、いまだに中断したままになっている。
未完成の事業には、近郊地域との連絡網整備やスタジアム周辺の市街地化なども含まれている。