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スト騒動でサンパウロ市が緊急事態宣言!=大統領も軍の出動認める

パウリスタ大通りを埋めるスクールバス(Allan White/FotosPublicas)

パウリスタ大通りを埋めるスクールバス(Allan White/FotosPublicas)

 【既報関連】トラック運転手のストが5日目を迎えた25日、サンパウロ市のブルーノ・コーヴァス市長が緊急事態を宣言。さらに、テメル大統領が道路封鎖を解くために軍などの投入を認めたと同日付現地紙サイトが報じた。
 24日の合意成立で25日はスト回避と見られていたが、25日も連邦直轄区を含む全州で何らかの形のストが続いた。
 サンパウロ市では、周辺の高速道やマルジナルなどの幹線道路の一部封鎖が続いた上、スクールバス運転手のストも起き、25日午後5時現在もマヒ状態が続いている。

道路封鎖解除のための軍投入を許可した事を発表するテメル大統領(Antonio Cruz/Agência Brasil)

道路封鎖解除のための軍投入を許可した事を発表するテメル大統領(Antonio Cruz/Agência Brasil)

 ディーゼル油その他の燃料の供給が止まったため、24日には25日のゴミ回収停止も決まったが、少なくとも朝の内は回収車が町に出るなど、スト回避による正常化に期待した動きもあった。
 しかし、マヒ状態が続き、燃料補給もままならない事などから、市長が緊急事態を宣言。これにより、必要ならば、入札抜きでの物資購入や、民間企業が貯蔵している燃料を提供させたりする事が可能となる。
 サンパウロ市では今後の状況次第で必要な判断を下すため、法務、財務、保安、検察などの長からなる特別委員会を設置。燃料補給が再開されなければ休日設定もあるという。
 緊急事態が公共の非常事態に進むと、燃料節約のために、どうしても不可欠な公共サービス以外のサービスが停止される事態も生じる。
 緊急事態宣言は、サンパウロ州内陸部のカンピーナス市でも出ている。また、リオ・グランデ・ド・スル州はポルト・アレグレやカングスーなど4市、ミナス州はテオフィロ・オトニ、チモテオの2市、サンタカタリーナ州はブルスケ市、ペルナンブコ州はカルアル市も緊急宣言を出した。
 また、緊急事態こそ未宣言だが、医療関係の車両以外へのディーゼル油販売を禁じた市や、救急車両の一部が動けなくなった市もある。
 連邦政府は25日の緊急会議後、道路封鎖解除のために軍などを投入する事を許可したと発表した。テメル大統領は「病院に医薬品が届かず、子供達が学校に行けない状態は認められない」「一部の過激な運転手が、多くの運転手が合意に従うのを妨げ、業務に戻るのを阻害している」とした上、「もはや対話の段階は過ぎ、国民を守るために国力を使う段階に至った」との見解を示した。