【既報関連】21日から始まったトラックストは、産業界に甚大な損失をもたらしている。また、連邦政府は相当額の税収減を余儀なくされ、国内総生産(GDP)も落ち込むとの見方が出ていると26~28日付伯字紙、サイトが報じた。
今回のストは、国内の輸送業務の60%を陸運に頼るブラジルには大打撃となった。特に影響が大きいのは陸運に100%頼る穀類や生鮮食料品だ。ディーゼルも54%が陸送されているため、各地で燃料不足が生じた。
実際に生じた損失額を業界毎に見ると、活動の40%に影響が出たという建設業界は24億レの損失を見積もっている。
鶏肉と豚肉は、国内販売と輸出の両面で18億レの損失を被った。餌が届かずに死んだ家畜、体重が増えず、屠殺の時期を逃したり、肉の質が落ちたりした事による損失はまだ拡大する。27日現在の鶏肉被害は30億レとの言及もあった。
牛肉関係は輸出が滞った分だけで6・2億レの損失が出た。屠殺中止後も、処理後の肉の品質低下は起きる。J&Bは屠殺用の家畜が届かない事と、商品輸送用トラックがない事で5工場での活動を停止。BRFも同様の状態に置かれている。食品加工業全体では、全国で167の工場が生産停止に至ったという。
その他の産業で5日間に出た損失は、自動車12・5億レ、織物12億レ、乳業11・3億レ、医薬品10億レ、コーヒー5・46億レ、家電販売2・8億レ、航空業界0・5億レなどだ。
また、28日以降も餌や部品の流通が途絶えており、鶏や豚の飼育や工業製品製造への影響が続いている。インターネットや携帯電話サービスでも、器材の修理が出来ない事による影響が出る可能性がある。
他方、経済支配介入納付金(Cide)や社会統合基金(PIS)/社会保険融資納付金(Cofins)免除などによる税収減と、ペトロブラスが自主的に提唱した15日間の割引後もディーゼル油価格を維持するための経費などを総合した政府負担額は269億レとの試算が出ている。
ストによる品不足解消や、流通の正常化には数週間を要する。ストがGDPに与えた影響は250億レとされ、今年のGDP成長率予想を1・7~1・8%程度に下方修正する専門家も出始めている。