トラック・ストは収束しつつあるが、まだ各地に深い傷跡を残している。
聖南西のパウリスタ柿生産者組合の森岡明会長は、「このままだと柿が大損害」と気が気ではない様子。同組合はサンパウロ州ピラール・ド・スール市とサンミゲル・アルカンジョ市を中心に約40の農家が加盟し、生産物の販売を共同で行っている。
森岡会長は「柿は収穫すると痛んでしまうから、全体の40%をまだ木につけたままにしている。それでもあと2日くらいで収穫しないと熟しすぎて売れなくなってしまう」と気を揉んでいる。
また、仕分けとパック詰めのために10人以上を雇っているが、収穫しておらず作業がないため休ませている。「休んでいる間も給料を払わないと、法律に違反する。早く再開しないと損失が大きくなるばかり」と肩を落とした。
ヨーロッパとカナダに輸出している高級アテモイアはすでに収穫して1週間が経つが、トラックが来ないために、グアルーリョス空港に運ぶことができず山積みになっている。
「金曜日に空港に運べれば輸出できるけど、それ以降だと古くなりすぎるから国内販売用に切り替える。売り物にならないよりはましだけど、国内だと売値が安くて利益がぜんぜん違う」と残念そうに話す。
一方、マットグロッソ・ド・スル州都カンポ・グランデ市で農場を経営する久枝俊夫さんは、「牛を全く出荷できない状況」と話す。和牛約4500頭を飼育し同市で販しているが、「燃料がなくてトラックが動かないから牛を屠殺場に運べないし、肉を加工する工場も止まっている。出荷が出来ないと収入がない。早く復帰してほしい」とため息をついた。
同農場で使う飼料は自家製。「農場で育てた牧草を牛に食べさせているから不足していない」と言う。
ただし、「他の多くの農場では飼料を買って牛に与えている。収入がない上に飼料代がかさみ、相当参っているのではないか。それに農場に貯蔵できる量には限りがあるから、いつまで持つか」と話した。
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