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《サンパウロ市》ビル火災から1カ月経て=行き場定まらぬ被災者ら

 【既報関連】サンパウロ市中央部のラルゴ・ド・パイサンドゥで起きたビル火災から1カ月が過ぎたが、現場前には100以上のテントが並び、被災者達が困窮していると1日付現地紙やサイトが報じた。
 「ガラスのビル」として知られた24階建てビルの火災が起きたのは5月1日未明。行方不明者9人中、2人の行方はわからないままだ。同ビルで暮らしていた人の内、約300人は今も、現場の前で野営生活を送っている。
 市役所で被災者登録を行ったのは171世帯。内153世帯が住居補助を受け取ったが、市役所からの補助(初回1200レ、2~12回目は400レ)で住む場所を見つけるのは難しく、住居の提供もないと苦言を呈し、焼失書類が整えられないと嘆く人もいる。
 また、5月23日に裁判所が命じた簡易トイレ設置もなされていない。市役所は、トラックストでトイレ到着が遅れているというが、設置予定日は明らかにしていない。
 食料不足も被災者達の悩みだ。被災直後は食料や衣類などが大量に届いたが、寄付やストックは減っている。大半の子供が学校に行けないため、親達も仕事に行けないという悪循環も起き、子供達が道行く人に小銭をねだる姿も見られる。
 ただ、広場に残る人達はビル住民ではないとの説もあり、市役所が、77世帯について本当に住んでいたかを確認中だ。
 他方、一部が延焼した隣接ビルの住民には5月31日に再居住許可が出た。同ビルは、崩壊の可能性などを調べるため、立入禁止となっていた。
 サンパウロ市は火災後、不法占拠ビルの実態調査や、崩壊ビルの跡地への低所得者向けアパート建設などの方針を表明したが、その作業は停滞中だ。崩壊したビル内での家賃徴収問題などの調査に関する報道も途絶えている。