放送元はメキシコながら、ブラジルでも本国を凌ぎうるほどの人気を獲得したコメディ番組「シャーヴェス(原題は「エル・チャボ・デル・オチョ」)」で、人気キャラクター、キコを演じていたカルロス・ヴィジャグラン(74)が1日、48年務め続けたキコ役からの引退を表明した。
「シャーヴェス」は本国メキシコで1971年から79年にかけて放送された実写コメディで、大人の俳優が子ども役を演じる風刺劇として人気を博し、南米、ヨーロッパ、アジアの一部の国でも放送される、国際的な人気番組だ。その中にブラジルが含まれており、1984年にSBT局で始まると、再放送が延々と続き、本国を遥かに上回る長寿番組となり、子どもたちからブラジルの番組と勘違いされるまでになっていた。
劇中でのキコは、番組のクリエイターでもあるロベルト・ボラーニョ扮するシャーヴェスの親友で、セーラー服に大きな目玉、大きくふくらませた頬がトレードマークだ。敵役の近所の乱暴な大人、ドン・ラモンによくいじめられ、泣く時の大げさな演技でも人気があった。
キコ役のヴィジャグランは、放送が終わった1979年以降も自身主演の劇場ショーやテレビ出演などでこの役をずっと演じ続けた。その間、今年で48年。演じはじめたときは26歳だった彼も、今年は遂に74歳になった。
1日、メキシコの最大局テレヴィザに出演したヴィジャグランは、キコ役からの引退を宣言した。
「もう身を引くべきだと思うんだ。僕の最大のライバルは、48年前にテレビに出ていた自分自身だよ」と、ヴィジャグランはトーク番組内で、ジョークを交えながら引退の理由を説明。著名な歌手の言葉を意訳しながら、「(キコを演じ続けても)神様は許してくれるかもしれない。でも、時は許してくれないんだよね」と語った。
キコは2018年いっぱいで見納めになる。
ブラジル国内では4月から、ムウチショウ局で「シャーヴェス」の再放送がはじまっている。(1日付G1サイトより)
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