《ブラジル》ペトロブラス=独立経営への圧力が原因?=突然のパレンテ総裁辞職=ガソリン値下げに油田入札=後任はモンテイロ氏に

1日、ペトロブラスのペドロ・パレンテ総裁が辞任し、同公社財務担当理事だったイヴァン・モンテイロ氏が総裁代行に指名された。2日付現地紙が報じている。
5月21日から続いていたトラック運転手のストが収束し始めた1日、パレンテ氏はテメル大統領に辞表を提出した。同氏はその中で、「自分が総裁で居続けることがペトロブラス内での代替案構築にプラスに働かなくなった」と伝えた。
トラックストは、パレンテ氏が17年7月に導入した燃料の価格調整により続いた、ディーゼル油の値上げに反対した運転手たちによるもので、国全体がマヒ状態になった。だが、パレンテ氏の辞職は、トラックストの引責以上に、政界からの圧力が強まっていたからと見る向きが大勢だ。
それは、同ストの影響でディーゼル油の価格凍結が起きたことで、同社の独立性に対する疑問が高まったことと、その後に考えられるガソリンと天然ガスの値下げだ。ガソリンとガス値下げに関しては、モレイラ・フランコ鉱山動力相が財源確保の方法を求めて、スト期間中から、ロドリゴ・マイア下院議長やエウニシオ・オリヴェイラ上院議長にかけあっていた。
それと同時に、連邦議員の間で、新たな財源確保の手段として岩塩層下の油田(プレ・サル)の入札を行い、1千億レアルの財源を確保しようと圧力をかける勢力も出はじめていた。
また、ペトロブラス職員らは昨年から、同社の株の売買差し止めを求めていた。これは、パレンテ氏が総裁就任後に導入したペトロブラス再建の切り札の一つだ。パレンテ氏は、ラヴァ・ジャット作戦による相次ぐ贈収賄工作発覚で財政破綻状態だったペトロブラス再建のため、2016年6月に総裁に就任。就任時にとりつけた約束は独立性保持で、同社再建のため、新たな価格調整法の導入や傘下の企業整理、株式売却による資金調達などを打ち出した。
それ以来、約2年間で同公社の状況は87%好転。それゆえに、国際市場では同氏辞任でペトロブラスの今後を危惧する声があがっている。
事実、同氏辞任の報と共に、ペトロブラスの株価は急落。同社の市場価値は1日だけで404億レアル下落した。トラックスト開始後にディーゼル油の価格を15日間凍結し、割り引くと発表したことで、同社の独立性が揺らいだとみなされたりしたこともあり、同社の市場価値はスト開始以後、1370億レアル縮小し、2310億レアルとなっている。
テメル大統領いわく、後任のモンテイロ氏は「ペトロブラス再建路線をこのまま維持する」という。同氏はジウマ氏が大統領だった2015年に、(パレンテ氏の前任の)アウデミール・ベンジーネ氏と共にブラジル銀行から抜擢された。ペトロブラス内では同社の財政分析を行い、負債返済プログラムなどを立てて財政再建に貢献した人物として知られている。