2014、15年に水危機で苦しんだサンパウロ大都市圏最大の貯水池であるカンタレイラ水系の現在の水位が、水危機に陥る直前の2013年の同時期の水位を下回っていることがわかった。5日付現地紙が報じている。
5日午前9時現在のカンタレイラ水系の水位は45・8%で、2013年の同日の58・9%を大きく下回っている。
水危機の最中だった14年にはデッドボリューム(未開の水域)込みで20%台と実質10%を切っており、15年には同じく実質マイナス。16年にもデッドボリューム抜きなら30%台だったから、それに比べれば良い。現在の同水系の水位はデッドボリューム分(29・2%分)は計算に入れていない。
だが、4月に22ミリ、5月に13ミリと、2カ月連続して異例の少雨だった上、今後も9月までは多くの降水量は見込めないため、水位後退は気になるところだ。
マッケンジー大学環境問題専門のアントニオ・エドゥアルド・ジアザンテ教授は、「水危機を経て、放水量や市民の使用量は減っているものの、なおも努力が必要だ」と注意を促している。