提言 こうすれば活性化する?!=県人会について考えたこと=日本ブラジル中央協会常務理事 桜井悌司(2018年5月9日記)=《5》
「フェスチヴァウ・ド・ジャポン(県連日本祭り)により大きなエネルギーを投入すること」

前述のように県連日本祭りの規模、動員力は圧倒的である。そこで各県もこのイベントに最大のエネルギーを費やし、できれば、相当程度の収益が出るメカニズムをつくるというのはどうであろうか?
1県人会のイベントであれば、動員力もそれほどでなく、収益もそれほど出ないと思われるが、県連日本祭りだと可能である。県人会の結束を図ることができるし、若者のボランテイア活動も期待でき、次代の指導者の育成にも繋がる。
また県連日本祭りを媒介として、非日系で、日本に大きな関心を持つブラジル人を多数、ボランティアとして協力してもらい一気に親日ブラジル人のネットワークを構築するというのはどうであろうか。
従来よりもっと母県の協力もお願いし、県や国の広報活動の展開も期待したいところである。日本政府や地方庁は、現在、VISIT JAPANキャンペーンやインバウンド旅行やクールジャパンの振興に積極的であるので、良い機会と言えよう。県側も県連日本祭りをもっと有効に活用するような、種々のアイデアを出すことが望まれる。
「ジャパン・ハウスとの連携を」

ジャパン・ハウスは、2017年5月に開所式を行い、ブラジル人ビジターの間で大好評である。
ジャパン・ハウスについては、筆者も連載エッセイ67の「サンパウロ・ジャパン・ハウスのチャレンジ」で詳細に紹介した。ジャパン・ハウスがブラジル人に高く評価されているのは、目指すコンセプトが明確で、新しい日本、普遍的価値を持つ日本文化を紹介・発信したからである。
ジャパン・ハウスを活用するには、県連や県人会が様々な知恵を出すことが大切である。例えば、県の物産展のような発想だとジャパンハウスは、受け入れないであろう。それは、文協やスーパーマーケットで開催すればいいのである。
ジャパン・ハウスは、日本から作品が送付され、展示を行う企画展が年3回、独自の企画が数回あるが、その間の期間を利用しての展示会等イベントが考えられる。展示品が雑多な物産展ではなく、1つの展示品、それも1県ではなく数県にまたがるような発想が必要とされよう。
例えば「日本陶磁器展」「日本漆器展」「日本木工芸品展」「全国コケシ展」「日本竹細工展」「日本ガラス工芸展」「金属工芸品展」「着物展」等々明確なコンセプトを持つプログラムを年間計画で、組織するという案である。
全国から優秀作品を集めることが重要となってくる。これらは、県連や県人会だけでは無理なので、外務省、ジェトロ、JICA、国際交流基金、国際観光振興会、地方の国際友好団体、企業等の協力を得ることが必須である。
県側は、従来の自県のみという発想から地域・道州単位、さらにオールニッポンという発想への転換が必要となって来る。県側からは、作品やサンプルをできれば、無償で提供するというような協力を望みたいものである。
「1県人会ではなく合同や道州単位、地方単位でプログラムを推進すること」
5県共同の「屋台祭り」や九州8県等による「8県対抗文化祭」について前述したが、1県人会でイベントを組織するより、数県単位、道州単位、地方単位でイベントを組織したほうが、コストやマンパワーの面で節約になるし、収益も増えることが考えられる。
例えば、ラーメンで有名な県が協力し、「全国味自慢ラーメン祭り」とかブラジル人の大好きな「全国名物焼きそば祭り」など知恵を絞ればアイデアが出てくるだろう。
また「フェイジョア―ダ大会」を開催し、各県人会風のフェイジョア―ダを開発・提供すれば、ブラジル人は大いに喜ぶことであろう。例えば、東北地方が集まって「郷土料理展」や「雪まつり展」等々多くのアイデアが出てくるであろう。日系コロニアの人々は、「サケピリーニャ」を開発するほど、創意工夫の精神に満ちあふれている。(つづく)