ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》ルーラ抜きの大統領選ならボルソナロが1位=決選投票ならマリーナが逆転=シロやアウキミンにも勝機=上位2人に厳しい選挙放送時間

《ブラジル》ルーラ抜きの大統領選ならボルソナロが1位=決選投票ならマリーナが逆転=シロやアウキミンにも勝機=上位2人に厳しい選挙放送時間

ボルソナロ氏(Fábio Rodrigues Pozzebom/Agência Brasil)

ボルソナロ氏(Fábio Rodrigues Pozzebom/Agência Brasil)

 9日、ダッタフォーリャが大統領選について、最新の世論調査の結果を発表した。ルーラ元大統領(労働者党・PT)抜きの調査ではジャイール・ボルソナロ氏(社会自由党・PSL)が1位だったが、決選投票でマリーナ・シウヴァ氏(REDE)やシロ・ゴメス氏(民主労働党・PDT)に敗れるという調査結果が出るなど、混沌とした状況に変化はない。10日付現地紙が報じている。

 今回の調査でも、ルーラ氏込みの場合の支持率1位は、依然として逮捕中のルーラ氏(30%)で、以下、ボルソナロ氏(17%)、マリーナ氏(10%)と続く。だが、同氏を抜いた場合の想定では、ボルソナロ氏が19%で1位、マリーナ氏が15%で2位。シロ氏が10%で3位だ。
 だが、1位という結果でも、ボルソナロ氏は不満を示し、ダッタフォーリャに対し、「調査の仕方に問題がある」と批判的な声明を出した。
 その理由の大きな部分を占めているのが「決選投票シミュレーション」だった。それによると、ボルソナロ氏はマリーナ氏に対しては32%対42%で完敗。シロ氏に対しても、誤差の範囲内ではありながらも34%対36%で敗れ、さらに、「ルーラ氏抜き」の場合に4位だったジェラウド・アウキミン氏(民主社会党・PSDB)にさえも引き分けるという結果になったためだ。
 ボルソナロ氏は、副候補にと期待していたマグノ・マルタ氏(共和党・PR)から、「上議再選を目指す」との通達を受け、断られたばかりでもある。これでPRとの連立が事実上消滅したこととなるが、この場合、8月からの政見放送でのボルソナロ氏の持ち時間はわずか10秒前後となってしまう。
 今回の調査で最もよい結果となったのはマリーナ氏で、対シロ氏に41%対29%、対アウキミン氏にも42%対27%で勝つという結果が出た。だが、同氏もボルソナロ氏同様、小政党の上に連立がないため、10秒前後の選挙放送になる状況は変わらない。
 そんなマリーナ氏の人気に目をつけ、アウキミン氏の支持率が伸び悩むのを厭うPSDBの一部勢力がマリーナ氏との連立を望んでいる、との情報も流れている。だが、元がPSDBの政敵・PT出身でもあるマリーナ氏は「断固としてありえない」と拒否している。
 また、ルーラ氏のPTの代理候補と目されるジャッケス・ヴァギネル氏とフェルナンド・ハダジ氏は、4%で5位のアルヴァロ・ジアス氏(ポデモス)さえも下回る1%の支持止まり。テメル大統領の民主運動(MDB)候補のエンリケ・メイレレス氏も1%の支持で伸びがない。
 なお、PTはルーラ氏を擁立し、副候補を通したキャンペーンを展開する意向だ。高等選挙裁判所による同氏の出馬資格拒否は必至とみられているが、その場合も、ルーラ氏の支持票を副候補に乗り移らせれば決選投票に臨めると踏んでいる。