10月の大統領選やサンパウロ州知事選をめぐり、民主党(DEM)と進歩党(PP)がどの党と連立を組むのかが、選挙の行方を占うカギとして注目されはじめている。14日付現地紙が報じている。
DEMとPPは、選挙キャンペーン中の放送時間の決め手となる下院議員の数が、それぞれ44人(5位)と49人(3位タイ)と多いため、選挙の連立相手として魅力的に映っている。
民主社会党(PSDB)の大統領候補、ジェラウド・アウキミン氏は13日、「私たちがほしいのはDEMだ」と明言した。
PSDBにとってのDEMは、95年のカルドーゾ政権発足以来、常に連立党だったが、同党がロドリゴ・マイア下院議長を大統領候補として立てる予定だったため、関係が離れていた。
他方、PPはマイア氏擁立でDEMと協力関係にあった。だが、マイア氏自身が低支持率から出馬を断念しはじめている一方、PPが大統領選をめぐり、シロ・ゴメス氏(民主労働党・PDT)と接近しつつあったために「DEMもシロ氏支持か」とも見られていた。
だが、マイア氏自身が最近になって、「シロ氏とは話し合いの可能性は残すが連立の第一候補ではない」「過去のPSDBとの関係上、アウキミン氏や(元PSDBの)アルヴァロ・ジアス氏との連立が優先されるのが自然な流れだ」と語りはじめた。
さらに、ここに来て、DEMがサンパウロ州知事選でPSDBのジョアン・ドリア氏と連立することを発表し、同党下院リーダーのロドリゴ・ガルシア氏が副候補として浮上しはじめている。当初、ドリア氏の副候補には元サンパウロ市市長のジルベルト・カサビ氏が党首の社会民主党(PSD)の人物が有力視されていた。
それとは反対に、PPの方は、サンパウロ州知事選で、ドリア氏の対抗馬であるマルシオ・フランサ現知事(ブラジル社会党・PSB)との連立を正式に締結している。
これは、シロ氏にとっては大きな意味を持つ動きだ。それは、同氏が今回の選挙で最大の連立相手と考えているのが、以前自身が所属していたPSBであり、PPとの連立もPSBとの連立が正式に締結し次第、取り組む予定でいたためだ。
サンパウロ州知事選でのDEMとPPの動きで期待を裏切られたのは、サンパウロ州工業連盟(FIESP)会長のパウロ・スカッフィ氏(民主運動・MDB)だ。頼りにしていた両党に断られたため、選挙期間中の同氏の放送時間は、フランサ、ドリア氏の半分ほどの長さになる。
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