ロシアでのW杯開幕戦は、開催国のロシアとサウジアラビアの対戦で、ロシアが5対0で初戦を制したが、サンパウロ市東部のロシア人のピザ店では、ロシアが得点する都度、応援者達にウオッカが振舞われた。
サンパウロ市内でも有数のロシア人居住地区にある店の名前は、店主のラファエル氏の苗字と同じ「クレストフ」。W杯期間中の特別メニューには、ブラジルゾーヴィスキやフランソーヴィスキ、アレマニョーヴィスキなど、ロシアを思わせる名前のピザが8種類並ぶ。
民族衣装を見につけたロシア人やその家族などが集まって母国を応援した事はもちろんだが、この日は、ロシアが得点するたびに、応援のためにと集った人々に、1杯ずつ、ウオッカが配られる。5対0だから、皆が最大5杯のウオッカを、それも、無料で飲んだ事になる。
母国の勝利を祝い、店の前で歌い、踊る人々を見ながら、「見ろよ。皆、ロシアが勝ったのと、ウオッカを飲んだのとで、すっかり陽気になっている」と目配せするのは、同店店主のラファエル氏だ。
「我々はロシアの伝統をこの地区に持ち込んだ。もちろん我々の心の中にもね。母国の伝統はとても豊かで美しい。私は3世だが、一家の歴史を伝えていくのは我々の務めさ。だから、今回のピザのテーマはロシアにした。我々の伝統を新たに伝えていくためにね」と同氏は続ける。
ロシアの伝統的な音楽にウオッカ、期間限定のメニューも用意された店は、開幕戦を観戦するロシア人やその子孫達が一堂に会する場となった。
ラファエル氏は、「世界中のロシア人やその子孫は皆、この結果を心から喜んでいるに決まっている」と言って、インタビューアーに微笑んだ。(14日付G1サイトより)