2016年にブラジルで起きた殺人事件の犠牲者は6万2517人で、史上初めて6万人を超えた。また、人口10万人あたりの殺人事件発生率も30・3件で、史上初めて30件を超えたが、殺人事件の50%は、ブラジル国内全5570市中、2・2%にあたる123市で発生していた事がわかった。
人口10万人以上の市では、最も暴力的な市はブラジル北部、北東部に集中しているが、人口比率で最も殺人事件が多かった市は南東部リオ州のケイマードス市だ。同市では16年に、人口10万人あたり(以下、同)、134・9件の殺人事件が起こった。
この不名誉なランキング2~5位までは全て北東部バイーア州の市だ。2位のエウナポリス市が123・3件、3位のシモエス・フィーリョ市が107・7人、4位のポルト・セグーロ市が101・7人、5位のラウロ・デ・フレイタス市が99・2人だった。
人口10万人あたりの殺人事件発生率が最も低いのはブルスケ市(4・8件、サンタカタリーナ州)、2位がアチバイア市(5・1件、サンパウロ州)、3位がジャラグアー・ド・スル市(5・4件、サンタカタリーナ州)、4位がタトゥイー市(5・9件、サンパウロ州)、5位がヴァルジーニャ市(6・7件、ミナス・ジェライス州)だった。
ブラジルには26の州と、ブラジリアがある連邦直轄区があり、各州には日本の県庁所在地にあたる州都がある(連邦直轄区は首都のブラジリア)。州都別で人口10万人あたりの殺人事件発生率が最も高かったのは、北部パラー州のベレン市で76・1件、2位はセルジッペ州アラカジュー市で73件、3位はリオ・グランデ・ド・ノルテ州ナタール市で62・7件、4位はアクレ州リオ・ブランコ市で・62・6件、5位はバイーア州サルバドール市で57・8件だった。
人口10万人あたりの殺人事件発生率が最も低い州都はサンパウロ州サンパウロ市で10・1件、2位はサンタカタリーナ州フロリアノポリス市と、エスピリト・サント州ヴィトーリア市で17・2件、4位はマット・グロッソ・ド・スル州カンポ・グランデ市で20・3件、5位はミナス・ジェライス州ベロ・オリゾンテ市で24・8件、以下、6位ブラジリア25・5件、7位リオ州リオ市25・8件、8位パラナ州クリチーバ市29・4件だった。
なお、殺人事件発生率が高い10市(10万人あたり平均で103件)には、極貧層の人が5・5%いるが、発生率が低い10市(平均6・3件)は0・6%(平均、以下同)のみで、9・26倍の開きがあった。殺人事件の発生率の差は16・25倍だ。
また、上下水道が整備されていない家に住む人の割合は5・9%と0・5%で11・82倍、18~24歳の失業率は19・8%と10・3%で1・93倍だった。
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