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コロンビア=次期大統領はドゥッケ氏=ゲリラとの和平協定に暗雲

 コロンビアで17日、次期大統領選の決選投票が行われ、右派のイヴァン・ドゥッケ前上院議員(41)が当選したと18日付ブラジル国内紙が報じた。
 決選投票は、ドゥッケ氏と、左派で元ゲリラメンバーのグスターヴォ・ペトロ前ボゴタ市長の戦いだった。ドゥッケ氏の得票率は54%で、ペトロ氏の得票率は42%だった。就任は8月7日で、任期は4年だ。同氏は同国史上、最年少の大統領となる。
 ドゥッケ氏は、アルバロ・ウリベ前大統領の支持を得て出馬。米州開発銀行などでキャリアを積んだ同氏は、選挙中も、減税や投資促進などを訴えていた。
 また、選挙中の主張の一つは、ファン・マヌエル・サントス現大統領が2016年に左翼ゲリラの「コロンビア革命軍」(FARC)と結んだ和平協定を同国議会で見直す事だ。当選後には、約50年間にわたって続いた紛争中、様々な犯罪に関与したはずのFARC指導者らに対する犯罪責任を追及すると共に、「犠牲者らを和平プロセスの中心に据える」事を約束した。
 また、副大統領にはマルタ・ラミレス元国防相が選ばれた。女性が副大統領に選ばれたのは、コロンビア史上初だ。
 コロンビアは、ベネズエラからの移民を最も受け入れている国で、次期大統領も、ベネズエラでの人権蹂躙などにも批判的な立場をとっている。そういう意味で、メルコスルや米州機構でベネズエラの参加権に疑問を呈しているブラジルなどと軌道を一に出来る人物だ。