ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》Ibope支持率調査でボルソナロとマリーナが拮抗=ルーラが出れば圧倒的も=異常に多い白紙や無回答=気になる出馬可否の裁判

《ブラジル》Ibope支持率調査でボルソナロとマリーナが拮抗=ルーラが出れば圧倒的も=異常に多い白紙や無回答=気になる出馬可否の裁判

ルーラ氏保釈を求める集会でのハダジ氏(右)とグレイシ・ホフマンPT党首(Ricardo Stuckert)

ルーラ氏保釈を求める集会でのハダジ氏(右)とグレイシ・ホフマンPT党首(Ricardo Stuckert)

 ブラジル世論調査・統計機関(Ibope)の大統領選支持率調査の結果が出、ジャイル・ボルソナロ氏(社会自由党・PSL)とマリーナ・シウヴァ氏(Rede)が事実上同率となったが、選挙まで100日の時点で白票や無回答が41%に上る異常事態である事も判明したと29日付現地紙が報じた。

 Ibope調査は全国工業連盟(CNI)と共同で行われ、候補者リストにルーラ元大統領(労働者党・PT)を含む場合と含まない場合で集計された。
 元大統領を外した場合は、ボルソナロ氏17%に対し、マリーナ氏13%で、2%の誤差も加味すると同率となる。3位以下は、シロ・ゴメス氏(民主労働党・PDT)8%、ジェラウド・アウキミン氏(民主社会党・PSDB)6%、アウヴァロ・ジアス氏(Pode)3%、フェルナンド・コロル氏(キリスト教労働者党・PTC)とフェルナンド・ハダジ氏(PT)2%で、それ以外は1%かそれ未満だった。
 気がかりなのは、浮動票が白票33%と無回答8%をあわせた41%に上る事だ。
 この点は、ルーラ氏を含んだ場合も似通っている。こちらは、ルーラ氏33%、ボルソナロ氏15%、マリーナ氏7%、シロ氏とアウキミン氏各4%、アウヴァロ・ジアス氏2%で、以下は1%またはそれ未満だ。浮動票は白票22%、無回答6%の28%だった。
 拒絶率は、高い方から、ボルソナロ氏とコロル氏32%、ルーラ氏31%、アウキミン氏22%となっている。
 こうして見ると、ルーラ氏の動向が票を大きく左右する事や、各党候補がまだ絞られていないために、選挙民が迷っている事などがわかる。
 ルーラ氏の出馬に関しては、エジソン・ファキン最高裁判事が、今年前半の大法廷審理最終日の28日に、大法廷で元大統領の出馬資格に関する審理を行い、その後にルーラ氏の保釈(軟禁)要請の審理を扱う意向を表明した。
 同判事は22日に保釈要請を大法廷に回していたが、検察庁の意見書が出る前の28日に異例の審理開始許可も出した。これで、他の判事が休廷前に保釈を認める暫定令を出す可能性はなくなったが、大法廷は28日の審理後に休廷となったため、ルーラ氏の件は8月以降の審理となる。
 ルーラ氏弁護団は、第2小法廷に第4地域裁の判決に関する異議を申し立て、服役と出馬資格喪失の双方の差し止めを狙っていた。だが、ファキン判事は服役停止と出馬資格の審理を大法廷で扱う意向だ。元大統領弁護団はこの方針に驚き、28日に出馬資格の件は最高裁では扱わないよう申し入れた。選挙高裁で扱えば抗告も可能だが、最高裁が出馬資格はないと判断すれば抗告の余地がなくなるからだ。