ブラジルショッピングセンター協会(Abrasce)の最近の発表によると、今年5月に同協会加盟の570以上のショッピングセンターを訪れた客の数は、昨年5月より平均2・3%減少したと、3日付現地紙が報じた。
ショッピングセンターを訪れた客数は、今年1月から4月まで連続で前年同月比増を記録していたが、トラックストが発生した5月にはそれが途切れた。
投資銀行BTGパクチュアルの経済分析員グスタボ・カンバウヴァ氏は、「7月以降の下半期はよりネガティヴになるだろう」と予測する。同氏は、6月はW杯もあり、テレビでサッカー観戦に興じる人々が増え、ショッピングセンターへの出足も落ちたとしている。ブラジル代表の一次リーグ最終戦のセルビア戦が行われた6月27日は、試合開始が午後3時だった事もあり、サンパウロ市内のショッピングセンターでは、昼食時間過ぎから閉店する店舗が目立った。
6月29日に発表された、Cielo社のカード読み取り機を使った商取引に基づく統計によると、セレソンの試合が行われた6月17、22、27日の3日間の小売販売額は、通常の取引額を平均25%下回ったという。
カンバウヴァ氏は、「今年の秋は気温が高く、冬物衣類の売上が伸びなかった」ことも販売不振の原因と語る。国内各地の主要ショッピングセンターの幹部たちは、今年3月に行われた電話調査で既に、「今年のショッピングセンター業界は厳しくなるだろう」と、警告を発していた。
国内最大級のショッピングセンター経営会社ムルチプラン社のファイナンス部門副社長、アルマンド・ダルメイダ・ネット氏は、4月末に、W杯のマイナス効果と選挙の情勢不安を第2四半期の不安要因として挙げていた。
Abrasceは、第2四半期(4~6月)のショッピングセンター業界の売上は第1四半期に記録した4・3%の伸び幅を下回ると予想している。
グラウコ・ウマイAbrasce会長は、「第2四半期の売上が昨年より下がるとは思いたくない。逆に3%は伸びるかも」という。5月の母の日商戦は6%、6月の恋人の日商戦は5%伸び、いずれも昨年の実績を上回っており、トラックストなどによるマイナスの影響を和らげるのではないかと同氏は見ている。