全国市町村連合(CNM)の調査によると、北部や北東部中心に、車の数よりバイクの方が多い州が増えており、その数は17州に及ぶと2日付現地紙が報じた。
州全体の自治体数に対し、車よりバイクの方が多い市町村が半数を超えた州は、アクレ100%を始め、マラニョンとパラー99%、ピアウイとロライマ98%、アマゾナス97%、セアラとトカンチンス96%など、北部や北東部の全州と中西部のマット・グロッソ州(100~73%)の17州だ。全国では、5568市中、46%の2487市でバイクの数が車の数を上回った。
全国を走るバイクの総数は2640万台で、所有率は7・86人につき1台だ。北東部では車667万台に対しバイク749万台、北部では車167万台に対しバイク249万台だという。これらの地域では、馬やロバによる移動もバイクに代わり始めた。
他方、全国の車の所有率は3・89人につき1台(総数5340万台)で、半分以上の2930万台が南東部に集中している。車所有数最多はサンパウロ州の560万台で、バイクの方が車より多い市は645市中1市。南部3州も、バイクの方が車より多い市は0~1で、その比率は0%だった。
バイク増加の理由は、融資が得やすい、車より安く、ローンの負担額が小さい、連邦政府の減免税措置があった、公共交通サービスの欠如や道路整備の不備などだ。
一方、バイクは車より事故を起こしやすく、犠牲者も出やすいため、統一医療保健システム(SUS)の負担が増える、傷害が原因での早期の年金受給者が増える、労働市場から若者を奪うなどの弊害も起こる。
バイクの事故で犠牲者が出やすい事は、17年のサンパウロ市での交通事故死者の39%(797人)がバイクの運転者だった事からも明らかだ。
バイクの運転者や同乗者は、ヘルメット以外に身体を保護する物がないため、事故に遭うと、重傷を負ったり、死亡したりする可能性が高い。また、機動性が売り物である一方、速度違反やウインカーも出さずに進路を変更する、Uターン禁止の所や一方通行の所で指示に従わないといった違反行為も起きやすい。
昨年のサンパウロ市でのバイク運転者による違反は全体の5・5%だったが、実態はもっと多く、監視者を倍にすべきとの意見もある。同市でのバイクの違反55万5900件中、速度違反は40万7千に上った。