リオ州で4日、同州ラヴァ・ジャット作戦(LJ)の一環として、フィリップス・メディカル元CEO(最高経営責任者)で現在はGEヘルスケアCEOのアウリオ・スペランジニ・ジュニオル容疑者ら、20人が逮捕されたと5日付現地紙などが報じた。
今回行われたのは、同州保健局(SES)や国立外傷学研究院(Into)の資材購入時に、医療機器などの製造会社や運送会社がカルテルを組んで不正入札を行い、最大で契約額の40%の利益を得ていたという疑惑の摘発で、「磁気共鳴画像作戦」と命名された。
検察によると、1996年以降にIntoが購入した資材の入札では、2006~17年だけで15億レアルが不正に支払われたという。
水増し請求などで不正な利益を上げていたとされる代表格のスペランジニ容疑者は、フィリップス社の内部調査で不正が摘発されて解雇された後にGEのCEOに就任しており、GEは同氏逮捕はフィリップス時代の不正によるもので、同社は無関係としている。
4日には、フィリップス時代の同氏の右腕で同社の戦略資金担当役員のフレデリック・クヌンジセン容疑者や、義足などの納入会社オルカル・イスキン社主のミゲル・イスキン容疑者らも逮捕された。イスキン容疑者は昨年4月に行われたリオJLのフラトゥーラ・エスポスタ作戦で逮捕されたが、ジルマル・メンデス最高裁判事が人身保護令を適用して保釈されていた。今回の作戦は、昨年の作戦後も不正が行われている事が判明し、敢行された。
医療資材購入時の入札にまつわる賄賂は、国内の銀行や国外のタックスヘブン(税金が課せられないとか、税率が非常に低いなど、企業などに有利な税制を持つ地域)の銀行を利用して支払われていたという。
フィリップスやGE以外の捜査対象はジョンソン&ジョンソン・メディカル・デヴァイス・ブラジルなどで、ダミーを含む30超の会社が関わっていたようだ。連邦検察庁のフェリッペ・ボガド捜査官は、「民間企業が競争原理を悪用して公共医療サービスを食い物にした」としている。
検察によると、民間企業は、自社製品に特化するような製品特性を入札の条件に盛り込むなどして、入札規定の作成から入札、落札、契約の全段階にかかわりを持っていたという。捜査官らは、この不正による被害額は計算不能だとしている。
一連の不正は、義足などを供給していたペル・プリマ社役員のレアンドロ・カマルゴ氏や、Dixtal社元従業員らの報奨付供述で明らかにされた。カマルゴ氏によると、入札は病院の需要とは無関係に行われ、使用期限切れの在庫でコンテナ二つが一杯だという。
司法当局は、捜査対象の企業や個人の資産12億レアルを凍結した。
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