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《ブラジル》社会保障不正受給の摘発続々と=今年から監査方法が大幅改善

 ブラジル連邦政府は、社会保障の不正受給者摘発を目的とした受給状況精査を行い、疾病や事故を理由とする一時的、または恒久的な就労不能者およそ22万人への手当てや年金の支給を停止、96億レアル分の出費を浮かせたと6日付現地紙が報じた。
 社会開発省は、昨年末の時点で、不正受給取締りによる経済効果は157億レアルになるだろうと試算していた。歳出削減効果は、2018年、19年予算に反映される。
 年金受給状況捜査は2016年8月に開始された。政府は今年に入って監査方法を変更し、不正受給摘発作業のスピードが上がった。16年8月から今年2月末までの1年7カ月間で調査された人の数は28万9800人だったのに、今年3月から6月末までの4カ月間に調査された人の数はおよそ50万人に達した。
 16年8月~今年2月の調査では、疾病手当て受給者の82%(全体の82%ではなく、調査された中の82%、以下同)、年金受給者の17%が不正とされ、支給が止められた。今年3月~6月の調査では、疾病手当て受給者の74%、年金受給者の31%で不正が発覚し、支給が停止された。
 アルベルト・ベルトラメ社会開発相は、「自主残業し、不正受給チェックをする職員に、ボーナス支給の条件として、1日4件のチェックを行うよう要求した結果だ」と胸を張った。以前は1週間で1件しか調査しない職員もいたという。
 2000年の疾病手当て受給者は50万人だったが、2005年は150万人に増えていた。同社会開発相は、「人々がより頻繁に病気にかかるようになったのか、それとも社会保険院が大盤振る舞いするようになったのか」と皮肉交じりに批判した。16年8月から今年6月にかけての疾病手当て受給者は、182万人から130万人に減少した。
 政府は監査を厳しくする事でこの数字が100万件に下がることを期待している。