中央銀行が発表した経済活動指数(IBC―Br)によると、同月の経済は、5月下旬に起きたトラックストの影響で4月と比較して3・34%も落ち込んだ。これに伴い、2018年の国内総生産(GDP)の成長予測も下がるなど、悪影響は小さなものには留まらない。16日付現地紙サイトが報じている。
5月21日から11日間続いた全国的なトラックストは、配送が滞ったことで大量の食品が無駄になったのをはじめ、輸送部門や医療部門などにも支障をきたすなど、諸部門で大混乱を巻き起こした。その結果のひとつが今回発表された経済活動指数の落ち込みだ。
IBC―Brは農牧畜業と工業、サービス業、税収を基に算出され、全ての財やサービスを加算する、地理統計院(IBGE)の国内総生産(GDP)とは若干異なる。
だが、IBGEの統計でも、5月の工業は前月比10・9%減(4月は同0・8%増)で、昨年同月比でも6・6%減となっている。小売は同0・6%減(4月は同0・7%増)、サービス業は同3・8%減(4月は1・1%増)、投資は11・3%減(4月は同2・4%増)と、軒並み、影響が出ている。
インフレも5月は1・26%増(4月は0・4%増)で、経済信頼指数も4月の92・4から90・5へ下がった。
特に深刻なのは、3・8%減となったサービス業だ。ここはGDPの70%を占め、同部門の減少長期化が2014年から3年続いた景気後退の大きな理由にもなっていたからだ。5月のサービス部門中、4月比で最も大きな落ち込みを見せたのは輸送業で、前月比9・5%減と大きく足を引っ張った。
また、前年同月比で見ても、サービス業は5月に3・8%減を記録したが、これは17年4月に5・7%減を記録して以来の大幅ダウンだ。サービス業は長期間、前年同月比での成長が下がり続けていたが、17年12月に0・6%増、18年4月に2%増と回復の兆しがあった後だけに水を差された格好になった。
また、工業の落ち込みも、部品の輸送が滞ったことに起因している。今回の前月比10・9%減という数字は、リーマン・ショックが起こった2008年12月に記録した11・2%減以来の大きな落ち込みだ。
5月に失われた経済活動の機能は、部分的、もしくは全面的に回復することが考えられるため、6月の経済指数は、少なくとも前月比では回復すると予想されている。
だが、このストの影響が災いし、中銀は今年のGDPの成長予想を1・5%に下方修正した。これは、連邦政府が年のはじめに打ち出していた3%という予想からは大きく落ち込んだ数字だ。失業率の高さがなかなか改善されていないことなどから、思ったような経済成長は起こらないことは予想されていたが、5月のストがさらに追い討ちをかけた形となった。