アルゼンチン向けの自動車輸出減と、5月下旬のトラックスト後に顕著になった国内需要の落ち込みにより、ブラジル国内の自動車製造会社各社が、年頭からとっていた増産体制の見直しを迫られていると、19日付現地紙が報じた。
フォルクス・ワーゲン(VW)社は、サンパウロ市の隣のサンベルナルド・ド・カンポ市にある工場の労働者に、1カ月の集団休暇を与える意向だ。同工場はVW社でも国内最大で、人気車種のポーロやヴィルトゥスを製造している。
ABC地区の金属労組によると、まず1千人の従業員が8月21日から休暇に入る。その後、順番に別の四つのグループが集団休暇に入るが、まだそれらの日程は発表されていない。
組合側はVW社から、「ブラジル国内市場が落ち込んだ上に、ブラジルからの自動車輸出の7割を占めるアルゼンチンから、輸出延期要請が出てしまった故の措置」との説明を受けている。パブロ・ディ・スィVW社長は最近のインタビューで、「市場の成長は予測をやや下回っている」と答えていた。
同社長は「W杯」「選挙」「為替」なども理由に挙げた他、アルゼンチン向けの輸出減少分はチリやコロンビアへの販売を促進することで幾分補う事が出来るが、輸出台数の総計は当初の予定を6千台下回るだろうと述べた。
VW社はブラジル国内最大の自動車輸出企業で、昨年の輸出台数は16万3千台だった。