ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》アウキミン氏が大型連立の調整開始=ジョズエー氏の副就任は延期=「PTへの侘び」が先に=政党代表で諮問委員会も

《ブラジル》アウキミン氏が大型連立の調整開始=ジョズエー氏の副就任は延期=「PTへの侘び」が先に=政党代表で諮問委員会も

サンパウロ州知事時代のアウキミン氏(Gilberto Marques/A2img)

サンパウロ州知事時代のアウキミン氏(Gilberto Marques/A2img)

 セントロン勢力の支持を取り付けたことで、大統領選でかなり有利になったジェラウド・アウキミン氏(民主社会党・PSDB)が、副候補の選出と、10党ほどの連立をまとめるための調整をはじめている。24日付現地紙が報じている。

 アウキミン氏が最優先しているのは、副候補の調整だ。23日は共和党(PR)の指導者ヴァルデマール・コスタ氏の仲介の下、副候補が有力視されていたジョズエー・ゴメス氏と会談。うまくいけば同日中に正式発表もありえたが、それは延期された。
 延期の理由は、これまでのジョズエー氏の政治上の経歴にある。同氏はミナス・ジェライス州の成功した企業家だが、元はルーラ政権で副大統領を務めたジョゼ・アレンカール氏の息子だ。政界入りを目指したジョズエー氏が最初に入党したのは民主運動(MDB)だったが、ルーラ氏が今回の再選出馬を目指した際に、ルーラ氏自身の頼みで、父のいたPRに移籍することにした。MDBはPT政権の連立与党だったが、ルーラ氏の肝いりだったジウマ前大統領をテメル現大統領(MDB)が追い落とした形となったため、PTとは決裂状態にあるからだ。
 そうしたこともあり、ジョズエー氏はルーラ氏の副候補としても考えられており、さらにシロ・ゴメス氏(民主労働党・PDT)も狙っていた。だが、ルーラ氏自身が服役中で出馬のめどが立たないことや、PRがそもそも属する中道右派の政党連合であるセントロン勢力がアウキミン氏支持に流れたため、連立直前にセントロンが副候補と決めていたジョズエー氏が、アウキミン氏の副に回る可能性が出ていた。
 だが、PSDB内にはジョズエー氏と政敵PTとの関係が深いことを快く思わない人も少なくはない。ジョズエー氏としても、PTに角を立てないよう、同党のミナス・ジェライス州知事フェルナンド・ピメンテル氏に断りを入れることを望んでいるという。ジョズエー氏は同知事の再選のための副候補という噂もあった。
 一方、連立が膨れ上がったことで、政党の調整が難しくなってきてもいる。一例としては、今回のアウキミン氏の選挙コーディネーターを務めるマルコーニ・ペリーロ氏に対して、民主党(DEM)のロナウド・カイアード氏が交代を求めていることが挙げられる。それは、ペリーロ氏がゴイアス州知事時代に同州上議のカイアード氏が対立していたためだ。
 アウキミン氏は、こうした形で起こりうる対立なども考慮し、各政党の代表者からなる諮問委員会を設置することを考えているという。