フェイスブック(FB)が25日、ブラジル自由運動(MBL)に関連のある、196のFBページと87の個人アカウントを消去したと、26日付現地各紙が報じた。
FB側は、MBLは架空の人物のアカウントやFBページで偽の情報(フェイクニュース・FN)を流し、社会に混乱を起こそうとしたとしている。消去されたアカウントには、実在しない人物の偽アカウントだけでなく、身元確認のとれている実在人物のアカウントも含まれている。
FB独自の分析、判断で、FN拡散、偽アカウント作成が行われたという高い確証が得られたFBページ、個人アカウントだけが消去され、証拠が不十分のものは引き続き存在している。
MBLは同日、「FBは、政治的偏見に基づいて、政治団体やリーダーに対して言いがかりをつけると世界中で非難されてきた組織」との声明を発表。消去されたページやアカウントのフォロワー(ページからの情報を受け取る意思表示をした人)は、延べ50万人いたとしている。
FBはMBLの他にも、大統領候補のジャイール・ボルソナロ氏を称賛するリオ・コンセルヴァドールという団体の関連ページや、やはり大統領選出馬予定の企業家フラビオ・ロッシャ氏に関連する、ブラジル200という団体の関連ページも消去した。
MBLのページ自体は消去されず残ったため、同団体指導者のレナン・サントス氏とレナット・バチスタ氏は、MBLのページから「自分たちの個人アカウントが消去された」事を公表した。
2人は、FBによるアカウント消去の報を最初に流したロイター通信の記者に電話し、事情を聞いたが、説明を拒まれて暴言を吐いた。FBでは動画を生中継する事ができ、その会話は生でネット上に流れた。
現地紙がFBに消去の根拠を求めると、FBは罰則規定表を出した。その中には、「複数のアカウントが共同で情報を流して情報源をつかめなくし、人々を欺く行為」や「FBの記事にFB外のページにつながるリンクを貼り、人々を欺く行為」といった条項も含まれている。FBは、リンク先の内容にも虚偽があってはならないと定めている。FBには記事に賛同を示すよう呼びかける機能や拡散する機能もあるが、「他の政治勢力を攻撃する意図を隠し、賛同や拡散を読者に呼びかけてもいけない」とも規定している。
10月に大統領選を控える今、FBの有料サービスを使って広報活動をする事が公職選挙法で認められたため、FBの役割や責任はより大きくなっている。