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《ブラジル》現金輸送車襲撃事件が昨年上半期より53%増加=北東部に新たなカンガッソ?

 ブラジル現金輸送会社協会(ABTV)や全国民間警備員連合(Contrasp)のデータによると、今年上半期(1~6月)の現金輸送車襲撃事件(強盗未遂から現金強奪まで)は昨年同期より53%増えたと、27日付現地紙サイトが報じた。
 今年上半期は17州で75件の現金輸送車襲撃事件が起きており、16年上半期22件(年70件)、17年上半期49件(年116件)と比べると、年々増えている。
 輸送車襲撃事件の地域別発生件数最多は北東部で、16年は年34件、17年は年56件、今年上半期も既に46件起きており、一世紀前の大盗賊、ランピオン一味の再来を意味する「ノヴォ・カンガッソ(新たな盗賊団の意)」なる言葉も生まれている。
 今年の地域別の事件数は以下、南東部13件、南部11件、中西部3件、北部2件で、どの地域もここ3年間、増加傾向にある。今年の州別発生件数を見ると、サンパウロ州とバイア州が各10件、セアラ州9件、ペルナンブコ州8件パライバ州7件などがこれに続く。
 サンパウロ州軍警元大佐で、国家治安局長も務めた事がある治安関係コンサルタントのシウヴァ・フィーリョ氏によると、現金輸送車襲撃事件増加は、標的が判別しやすく、ほぼ確実に現金を手に入れられる上、高速道などを利用すると逃走が容易で、警察が一味を特定して逮捕するのが困難な事などが原因だという。また、サンパウロ州とバイア州での事件が多いのは、地域を統括する現金輸送会社があるからと説明している。
 現金輸送会社そのものを襲う事件は、ABTVが州保安や輸送会社関係者と協議を重ね、4億レアルを投じて警備を強化した事で減少している。会社自体の襲撃事件は、16年が年7件、17年が年3件で、今年上半期は2件だった。
 現金輸送車襲撃には手榴弾や機関銃などの重火器も多用され、警備員が犠牲になる例も多い。警備員の犠牲者は、16年3人、17年6人、今年も既に4人だ。17年以降の負傷者は51人を数える。ABTVは、連邦警察や連邦道路警察、州保安局による武器や爆発物の密輸摘発が強化されない限り、現金輸送車襲撃は減らないとの見解も明らかにした。