失業率の高止まりや所得低下などで、アルバイトや所持品売却で経費を補う人や予算を切り詰める人が増えた。また、融資拡大で債務不履行も増えている。
28日付エスタード紙によると、クレジット保護サービス(SPC)と全国商店主連合が6月最終週に行った調査の結果、今年上半期にアルバイトをした人は64・4%おり、昨年同期の57・4%より増えた。
この傾向は低所得者層ほど顕著で、70%がアルバイトをしていた。家族に失業者がいると家庭全体が影響を受けるが、低所得者層はゆとりがないため、その影響がことさら強く出る。5月までの3カ月間の失業者は1320万人で、その前の四半期と同水準だった。
全国1万1300世帯を毎週訪れて消費動向を調査しているカンター・ワールドパネルによると、景気後退前の14年は、世帯収入に占めるアルバイト収入の割合は15・3%だったが、昨年は16・6%に増加。低所得者層での割合は20%から24%に増えている。
SPCの調査の回答者の77%は経済状態が改善したと思っておらず、約半数は状況はかえって悪化したと考えているという。
また、銀行融資の枠組が広がり、収入で賄い切れない出費を分割払いで凌いだり、借金返済のための融資を受けたりする例も増えている。
これは無理に無理を重ねて債務不履行に陥る危険性をはらんでいる。30日付Valor紙によれば、1月以降は負債を抱える世帯が増加傾向にあり、家計が更に圧迫されてきているという。
融資以外の形で収入不足を補う方法は、予算の切り詰めだ。SPCによると、上半期に経費を切り詰めた人は8割で、衣類や急がない品、高級肉や冷凍食品、酒、ヨーグルトなどの購入を避け、レジャー経費も抑えたという。また、債務不履行者は6180万人で、返済資金や生活費捻出のために所持品を売ったりする人も増えたという。
副収入を探す人や予算を切り詰める人が増えた事は、消費者の経済状況が昨年より厳しい事を意味する。現在はアルバイトも見つけ難く、早急な解決法の発見は困難だ。