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《ブラジル》トメアスーで眞子さまの目に涙=皇室初訪問、工夫凝らして大歓迎=人文字、看板、創作デザートも

お言葉を述べる眞子さま

お言葉を述べる眞子さま

 眞子さまは7月27日午前、パラー州トメアスー郡クアトロ・ボッカス(十字路)のトメアスー文化農業振興協会(ACTA)で行われた歓迎式典に出席された。初めて皇室を迎えるため、同地では街の入り口や同会館前など4カ所に歓迎の言葉を書いた大看板を設置、ご訪問を記念して創作したデザートを準備するなど、心を尽くしたもてなしを用意し眞子さまも感激した様子を見せた。

 眞子さまが乗った飛行機が到着するのにあわせて、ニッケイ学校の生徒らが校庭に並んでハート型の絵文字を作り、日伯旗を振る「プロジェト・コラソン」で歓迎した。
 歓迎式典には約220人が出席。眞子さまが入場すると大きな拍手で迎えた。柴田一宇シルヴィオ会長が開会の辞に立ち、「眞子内親王殿下を当地に歓迎することができる空前の歴史的な瞬間を迎えられる大変な名誉に感謝」と語り、同地日系社会やトメアスー総合農業共同組合(CAMTA)の活動、政府機関などとの連携による日本語教育プロジェクトを紹介した。結びに「忘れられない機会を頂き深く感謝を申し上げる」とご訪問に再度感謝した。
 両国歌斉唱、開拓先没者への黙祷の後、眞子さまがお言葉に立ち、「心温まる歓迎行事を開催していただきありがとうございます」と語った。同地で行なわれているアグロフォレストリー(森林農法)など農業分野での活躍にも言及し、「あらゆる世代の日系社会の人々が、農業を中心に多様な分野で活躍されていることを、嬉しく思っております」と述べた。
 花束贈呈後、眞子さまは会場に下り、出席者全員と記念撮影し、芸能発表と昼食会となった。眞子さまはACTA婦人部が早朝から準備したペイシ・アマレロのムケッカなどの料理に「美味しい」と笑顔を見せられ、ご訪問を記念して作られた創作デザート「パヴェ・ダ・プリンセーザ」に舌鼓をうった。
 婦人らによるカリンボの踊りやニッケイ学校生徒らによる校歌や太鼓演奏が披露された。生徒が声を合わせて「遠くまでご訪問くださり、ありがとうございました」と感謝の気持ちを伝えると、眞子さまは感激された様子を見せたという。その時、隣に座っていたトメアスー農業協同組合の乙幡敬一アルベルト理事長は「眞子さまの頬に涙が伝っていた」という。
 眞子さまは拍手に包まれて退場され、会館内の移民史料館を視察された。続いて峰下興三郎さんが手塩にかけて森林農法を実践する農場に向かわれる際は、2週間ぶりに雨が降った。地元住民は「眞子さまのご訪問を天が喜んだようだ」と口々に喜んだ。
 地元の乙幡正三さん(85、東京都)は「アマゾン移民の歴史も約90年。亡くなった移民の方々も喜んでいると思う。こんな遠いところまで、本当によく来てくれた」と喜びを語った。
 佐々木勇幸さん(81、秋田)は「今回のご訪問は大変な話だよ」としみじみ語り、「本当にこんなところまで感謝している。ありがとうございます」と笑った。
 花輪志津子婦人部長(64、北海道)は「一週間ぐらい前からパヴェをどうするか話し合ったり、皇室のご訪問に皆喜んで興奮していた。作った料理を食べてもらえる機会なんて、もう一生ないんじゃないかしら」と喜んだ。


□関連コラム□大耳小耳

 トメアスー文化農業振興協会(ACTA)が用意した「パヴェ・ダ・プリンセーザ」は、ピタイヤとクプアスのパヴェの上にパラーナッツ、カカオニビ(カカオ豆をくだいてフレーク状にしたもの)を載せたデザートで、トメアスーの特産品がてんこ盛りだ。説明してくれたACTAの林建佑渉外担当理事は、「パヴェをトメアスー名物にしたい」とも。トメアスーに行く際はぜひ味わってみては!? というか、レシビを公開してもらい、サンパウロ市でも食べられるとありがたい? ただし材料はトメアスー産を使うべし。
     ◎
 1997年にベレンに天皇皇后両陛下が初訪問した際、パウロ・マルチンス・シェフが「パット・ド・インペラドル」という創作料理でもてなし、両陛下も絶賛されたという話もあるとか。ブラジルでは珍しく、アマゾン地方は魚食の民が多いだけに、実は日本人の味覚に合うグルメ素材がいっぱい?! 
     ◎
 トメアスーの歓迎行事ではニッケイ学校の生徒らによる太鼓演奏が行なわれたが、当日使われた太鼓はベレンの汎アマゾニア日伯協会から借りたもの。発表前には普段の練習方法も説明されたが、生徒たちは普段ビニールなどを張った古タイヤで練習しているとか。タイヤを重ねたりすることで音程の調整をするそうだ。そこまでして日本文化普及のために努力する姿を見たことで、眞子さまはより一層感動されたかも?