ブラジル犯罪組織網「首都第一コマンド=PCC」の有力な地域首領リーダーが、パラグァイのSenad=国家麻薬取締局の捜索の結果、7月18日、アスンション市サンクリストバル区の高級住宅街に潜伏中の処を逮捕された。
同時に、ブラジル人の1共犯者と、同マフィア首領と結託し、マフィア活動を支援する、パ国の国家警察の1警察官が捕えられた。前述のブラジル人2人は直ちに同日晩、国外へ追放された。
その内のいわゆる首領エドゥアルド・アパレシド・デ・アルメイダ(39、Eduardo Aparecido de Almeida)、別名ピスカ・Piskaは、「首都第一コマンド=PCC」のパラグァイ及びボリビア両国を担当する、大物の「地域首領」と目されていて、麻薬や武器の闇取引きの他に誘拐、殺人等の組織犯罪に関わる廉で、少なくもブラジルで6件にも及ぶ、各罪状に対する逮捕令状が出されている。
ゆえにピスカ=Piskaは数カ月前より、ブラジル連邦警察の捜査の的になっていたもので、同時にブラジル当局は我が国における探索を、最近新設された情報局(Ministerio de Inteligencia)との密接な共同で、成果を挙げたのである。
当日はアスンション市サンクリストバル区の、オーストリア街とベルギー及びウィーン各通りの中間に所在する、豪華な住宅マンションをSenad=国家麻薬取締局が、ロレナ・レデスマ検察官(女性、Lorena Ledesma)の検索令状の許に、抜打ちの家宅捜査を行ったものである。
そして、前者と緊密な行動関係にある、ブラジル人リカルド・モラエス・アルヴェス(Riardo Moraes Alves)及びパラグァイ人のカルロス・アルフレド・メンドサ(27、Carlos Alfredo Mendoza)が同時に捕まった。
この者は、ア市警視庁の第4警察署に所属する巡査で、件のCapomafiosoカポマフィオソ(マフィア首領)の守護人ガードの役を務める他に、各目的の為の国内行動や買い物等に要する、個人的な身分証明書等々の取得手続きを受け持っていた。
失敗した逃亡と書類の焼却
Senad=国家麻薬取締局のスタッフの語ったところによれば、前記の家宅捜査で、思わぬ虚を衝かれた首領のアルメイダは、慌ててマンションの裏の塀を飛越えて逃げ様としたが、住宅マンションの周りを監視していた、別のSenad捜査分隊に見付かって捕えられた。
なお、悪行の証拠に成り得る多くの書類の焼却を図ったが、当局の逸早い対処によって大部分が助かったと言う。
関係警察官の更迭
今回のこの事件スキャンダルで、国家警察のルイス・カルロス・ローハス警視総監は、第4警察署の署長、ウーゴ・アダルベルト・アジャラ警視監、及び副署長のウーゴ・マリーン警視長は、「首都第一コマンド=PCC」の首領エドゥアルド・アパレシド・デ・アルメイダ(別名ピスカ=Piska)と、部下のカルロス・アルフレド巡査の間での癒着容疑の廉で、両上司の責任を問い罷免した。
監禁された問題の巡査は、前記の警察署で勤務していた警官である。
この更迭人事で、空席になった各役職の後任には、アンドレス・ビセンテ・フェレイラ警視監及びリカルド・ハーラ警視長が夫々任命、発令された。