大統領選挙への正式候補を公認する各政党の党大会は5日で打ち切られたが、党大会では服役中のルーラ元大統領を大統領候補とすることだけを決めていた労働者党(PT)が5日、ルーラ氏の出馬断念時に備えて、副候補に元サンパウロ市市長のフェルナンド・ハダジ氏を据えた。また、シロ・ゴメス氏(民主労働党・PDT)やジャイール・ボルソナロ氏(社会自由党・PSL)も、ようやく副候補が決まった。6日付現地紙が報じている。
PTは4日の党大会の時点では副を決めないまま、ルーラ氏の出馬発表を行ったが、5日夜、PTの党幹部が、ハダジ氏を正式に副候補として承認したと発表した。
ハダジ氏は以前から、ルーラ氏がフィッシャ・リンパ法適用で出馬できないことが確定した際の代替候補と見られていたが、どの時点までルーラ氏を前面にたてて選挙戦を引っ張るかについては党内でも意見が分かれていた。同党は当初、出馬登録締め切りの15日まで、代替候補となる副候補を発表しない意向だったが、その場合、最悪、PT候補が出馬資格を失う恐れがあった。
ハダジ氏を副にとの決定は、パラナ州で服役中のルーラ氏がPT党幹部に当てた書簡で伝えた意向に従ったものだ。
さらにルーラ氏は、ブラジル共産党(PCdoB)との連立を諦めないよう指示。大統領選出馬予定だったマヌエラ・ダヴィラ氏はこの日、副候補も公表していたが、PTの幹部は粘り強く交渉を続けた。
最終的には、PTとPCdoBの党幹部が5日夜、サンパウロ市内で話し合って、連立を組むことになり、マヌエラ氏が大統領選への出馬を断念した。ハダジ氏出馬の際は副につく。
ハダジ氏出馬の際の副候補は当初、シロ・ゴメス氏が望まれていたが、同氏が頑なに拒否。その結果、かねてから「左翼がまとまるためなら」と出馬返上の用意ができていたマヌエラ氏に白羽の矢が立った。
PTはこれで、社会秩序共和党(PROS)、勤労理念党(PCO)と4党での連立となり、選挙キャンペーンでの政見放送ではジェラウド・アウキミン氏(民主社会党・PSDB)に継ぐ長さを確保した。
一方、シロ・ゴメス氏の副は、同じPDT所属でジウマ政権時代の元農相のカチア・アブレウ氏に決まった。PDTはアヴァンテと連立を組むことになり、政見放送時間は40秒ほどだ。
また、ルーラ氏抜きの場合に支持率1位のボルソナロ氏の副候補は二転三転したが、結局、退役陸軍軍人のハミルトン・モウロン氏となった。モウロン氏はテメル政権の軍事介入を求める発言を行い、陸軍内部で左遷された人物だ。同氏所属の労働刷新党(PRTB)との連立で、ボルソナロ氏の政見放送は10秒前後となる。